家にネズミが出たら、どうすれば...? 専門家に聞いた「5つの対処法」
「イメージダウン」も鼠害の一種
12月24日、Jタウンネットの取材に答えた日本環境衛生センター環境生物・住環境部の環境生物課担当者によると、鼠害をもたらすのは、人間の建物に侵入し、さらには定着する性質を持つネズミだ。
人間の建物に定着する習性はもつネズミは、「家ねずみ」と呼ばれ、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種を指す。
ドブネズミは、床下・川岸・下水など水分が多い場所で、クマネズミは天井裏・棚の上など乾燥した場所、ハツカネズミは他の種が入りにくい場所や積み藁がある場所で繁殖しやすいという。いずれも、条件さえ整えば1年中繁殖する。
また、主として屋外で生活する習性を持つ「野ねずみ」の中でも、アカネズミ・ヒメネズミは建物に侵入する場合があり、害をもたらすこともあるという。
鼠害は「衛生上の害」「経済上の害」「信用上の害」の3つに分けることができるそうだ。
「衛生上の害」としては、感染症の媒介、イエダニの媒介、食品への異物混入があるという。
ネズミに直接触れたり、ネズミが触れた食品を食べたりするだけではなく、ネズミの排泄物に汚染された埃を吸ってしまうことでも、健康被害を引き起こす可能性があるそうだ。
「経済上の害」とは、貯蔵食糧やその包装がかじられたり、ネズミが通路や巣を作るために建材や家具がかじられたりする被害。ケーブルがかじられると、情報網が混乱することがもあり、場合によっては火災にもつながるという。
農業では作物や農地、林業では植林後間もない木、畜産業では卵やひな鳥、場合によっては成鶏も被害を受けるとの話だ。
「信用上の害」は、上記のような衛生上の問題を引き起こす可能性がある動物に侵入されたことにより、人々の不信感を引き起こしてイメージダウンが起こることや、糞尿や足跡、体のすり跡などの汚れにより建物の外見が損なわれることなどを指す。
また、宿泊施設やマンション・アパートでは鳴き声や走り回る音が安眠を妨害し、利用者からのクレームの対象となるため、騒音も「信用上の害」に含まれるという。
興味深いのは、最後の「信用上の害」だ。たしかに、1度でもネズミが出たことがある店は、いつまでも「あそこはネズミが出た」と言われてしまいそうだ。