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家にネズミが出たら、どうすれば...? 専門家に聞いた「5つの対処法」

横田 絢

横田 絢

2020.01.03 21:00
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2020年は子年。

夢の国のマスコットや、電気を放つ黄色いモンスター。このようにキャラクター化されたネズミはとってもかわいいが、現実世界では「害獣」として扱われる場合が少なくない。

19年、東京・渋谷のファミリーマート店舗で起きたネズミ騒動を覚えている人も多いだろう。

この店舗は騒動後すぐに営業を休止。後に閉店していたことが、Jタウンネットの取材で分かっている。

旧年中はお騒がせしました!(画像はイメージです)
旧年中はお騒がせしました!(画像はイメージです)

そもそも、ネズミが出現することで、具体的にはどんな被害があるのか。そして、ネズミが出た場合はどのような対策をすればいいのか。

Jタウンネット編集部は、ネズミがもたらす「鼠害」(そがい)に詳しい日本環境衛生センターを取材した。

「イメージダウン」も鼠害の一種

12月24日、Jタウンネットの取材に答えた日本環境衛生センター環境生物・住環境部の環境生物課担当者によると、鼠害をもたらすのは、人間の建物に侵入し、さらには定着する性質を持つネズミだ。

人間の建物に定着する習性はもつネズミは、「家ねずみ」と呼ばれ、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種を指す。

家ねずみ3種(写真はそれぞれWikipedia Commonsより)
家ねずみ3種(写真はそれぞれWikipedia Commonsより)

ドブネズミは、床下・川岸・下水など水分が多い場所で、クマネズミは天井裏・棚の上など乾燥した場所、ハツカネズミは他の種が入りにくい場所や積み藁がある場所で繁殖しやすいという。いずれも、条件さえ整えば1年中繁殖する。

また、主として屋外で生活する習性を持つ「野ねずみ」の中でも、アカネズミ・ヒメネズミは建物に侵入する場合があり、害をもたらすこともあるという。

鼠害は「衛生上の害」「経済上の害」「信用上の害」の3つに分けることができるそうだ。

「衛生上の害」としては、感染症の媒介、イエダニの媒介、食品への異物混入があるという。

日本環境衛生センターの回答を元に作成
日本環境衛生センターの回答を元に作成

ネズミに直接触れたり、ネズミが触れた食品を食べたりするだけではなく、ネズミの排泄物に汚染された埃を吸ってしまうことでも、健康被害を引き起こす可能性があるそうだ。

「経済上の害」とは、貯蔵食糧やその包装がかじられたり、ネズミが通路や巣を作るために建材や家具がかじられたりする被害。ケーブルがかじられると、情報網が混乱することがもあり、場合によっては火災にもつながるという。

農業では作物や農地、林業では植林後間もない木、畜産業では卵やひな鳥、場合によっては成鶏も被害を受けるとの話だ。

「信用上の害」は、上記のような衛生上の問題を引き起こす可能性がある動物に侵入されたことにより、人々の不信感を引き起こしてイメージダウンが起こることや、糞尿や足跡、体のすり跡などの汚れにより建物の外見が損なわれることなどを指す。

また、宿泊施設やマンション・アパートでは鳴き声や走り回る音が安眠を妨害し、利用者からのクレームの対象となるため、騒音も「信用上の害」に含まれるという。

興味深いのは、最後の「信用上の害」だ。たしかに、1度でもネズミが出たことがある店は、いつまでも「あそこはネズミが出た」と言われてしまいそうだ。

ネズミの予防はどうすればいいの?

実際のところ、一度ネズミが出てしまった後で、ネズミが全く出ない状態にすることは困難なのだろうか?日本環境衛生センターの担当者に聞くと、

「ネズミの生息場所が予防・防除作業の実施場所のみに限られている状況であれば、対策を徹底することでその後の被害を大幅に軽減させることが期待できる。
生息場所が広範囲にわたる場合は、周囲環境も含めた対策が必要となる」

とのこと。ネズミの侵入予防策として担当者が例示したのは以下の5つ。

(1) 食物を放置しない
(2) ネズミの通路・侵入口をコンクリート、金網等で塞ぐ
(ドブネズミ・クマネズミの場合は1.3センチ以下、ハツカネズミの場合は0.6センチ以下)
(3) ネズミの巣の材料になるものを除去する
(4) 建物の外周を整理整頓し、特に植え込み、排水溝付近のネズミの穴を封鎖する 方法は(2)に準ずる
(5) 建物基礎部分の通風口に破れた箇所がある際は補修する

ネズミの巣の材料になるものというのは、枯れ草や布切れ、ビニール片や紙くずなど様々なものを利用すると考えられるという。

自宅や、食品を扱わない店舗でも、これを徹底するのは簡単ではないだろう。様々な商品を取り扱い、食品を見えるように陳列するコンビニではなおさらだ。なにより、頻繁にドアが開閉するので、ネズミたちにとっては忍び込むのも難しくなさそうだ。

担当者によると、

「現場の環境に合わせた防除・予防作業を継続することが被害ゼロに近づけるために重要となる」

ネズミが現れるたびに、その都度対処していくしかないのだろう。

担当者の教えてくれた防除策は以下の通り。

(1)調査
・対象となるネズミの種類の確認
・出没の状況の確認
・環境調査の実施(建物の構造、施設・整備の配置の様子、人の活動状況や利用状況、隣接の建物など)
(2)作業計画
・作業の開始時期の決定
・防除方法の検討(使用する殺鼠剤や器具の選定、防鼠工事の有無の確認など)
(3)防除作業
・薬剤や器具による第三者への危害の防止
・死鼠の回収
(4)効果判定
・仕掛けた毒餌(殺鼠剤)の喫食量の変化の確認
・証跡(糞、足跡、齧り跡など)の変化の確認
・粘着トラップ等による捕獲数の推移の確認

素人では何一つできそうもない。第一段階の「対象となるネズミの種類の確認」すら困難だ。

ネズミを見つけてしまったときは、すぐに専門家に任せるのがよさそうだ。

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