ここは本当に日本なの...? 池袋の「ガチ中華フードコート」が想像以上に中国だった
日本人客はいなかった
エレベーターでビルの4階まで行くと、現れたのはコンビニをちょっと大きくしたような中国人向けのスーパー。フロアに足を踏み入れると異国情緒あふれるにおいが漂い、何語か分からないBGMが流れている。
そのすぐ隣に、フードコート「友誼食府」はあった。
フードコートは小ぢんまりしており、席は20席ほど。オープンして間もないのか、ある店舗のカウンターには立派な胡蝶蘭が置いてある。店は大きく分けて5店舗といったところだ。訪れたのは平日の15時過ぎということもあってか、人は少なめだ。
パネルには様々な料理が映し出されているが、紹介文はさも当然のように中国語だった。
辛そうな四川料理や食べやすそうな餃子、そしてなんといっても目を引くのが陳列された肉の塊だ。丸焼きにされた鳥、豚足など、とても普通のフードコートではお目にかかれない肉たちがずらりと並んでいる。
各ブースから店員が何か話しかけてくるが、中国語で聞き取れない。そうこうしているうちに隣のスーパーからお客が流れてきたが、見渡す限りの中国人で完全にアウェイだ。とてもじゃないがこの中で1人、先ほどの肉塊にかぶりつく勇気は筆者になかった。
あたふたするジャパニーズを不審に思ったのか、四川料理屋の女性スタッフが日本語で話しかけてきた。
「おいしいよー ほんばしせんのあじ」
神...!ここで何か注文しようと思いメニューを見る。しかし、中国語だ。
何と書いてあるか分からないため指をさしてみると「すなぎも」というように教えてくれる。
「たんたんめん からさちょうせつできるよー」
スタッフが勧めてきたのは日本でもなじみのある担々麺。筆者はそれに従い「老四川担担面」を注文することにした。
購入には専用のカードが必要。筆者は持ち合わせていなかったが、スタッフが持っていたカードに商品分のお金をチャージしてくれた。毎回このように対応してくれるとは限らないので、そこは注意だ。
カウンターには「OK!持ち帰り!」との紙が掲示されている。食器は普通のフードコートと同じく、自分で片づける方式だ。
最初は少し身構えていたが、周囲が何を言っているか分からないせいで逆に不思議と心が落ち着いてきた。都会の喧騒に疲れた人にとっては、ある意味居心地良いかもしれない。
しばらくすると声がかかったので取りに行く。本場の味を食べてみようと、あえて辛さはそのままにした。
価格は680円、麺の量に対して具は多めだ。気になるお味の感想は...めちゃめちゃ辛い。
野菜がシャキシャキして食べごたえがあるのだが、辛すぎて味覚がマヒしてしまっている。タイで食べた激辛料理(タイ人にとっては普通)を思い出す。やはり辛さは調節してもらった方が良かったかもしれない。ヒイヒイ言いながら食べたせいもあってか、1杯で満腹になってしまった。
フードコートは16時前には多くの客でにぎわっていた。最初は躊躇してしまうかもしれないが、慣れてしまえば田舎のフードコートのような温かさがある。食べられなかった料理もたくさんあるので、筆者としても何度か訪れてみたいところだ。