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タクシー表示板に「SOS」サイン 見かけたらどうすれば?導入会社に聞いた

笹木 萌

笹木 萌

2019.12.04 08:00
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タクシーが「SOS」サインを出していたので、警察に通報しました――

2019年12月2日、ツイッターでこんな投稿が話題になった。タクシーによる「SOS」とはどういうことか。いまいちピンとこない人もいるだろう。

投稿主は熊本タクシー(熊本市)が17年8月に投稿したツイートを引用し、それのおかげでサインを理解して通報することができたとしている。

その投稿がこちらだ。

「SOS団が世界を大いに盛り上げておりますが、弊社のタクシーには緊急用のSOSサインが御座います

タクシーでこのマークを見つけた際は、ハレ晴レユカイな状況では御座いませんので、頭の片隅にでも覚えて頂ければ乗務員の命を守る事にもなりますので、防犯に御協力頂けると幸いです」

「涼宮ハルヒの憂鬱」に登場する「SOS団」にかこつけたこちらのツイート。その内容は至って真面目で、タクシーの車内にある電光掲示板が「SOS」を示している時は何らかの緊急事態であるということだ。

ツイッターでは今回話題になった投稿に対し、

「タクシーのSOSサインなんてあるのか。密室だからこそ危険も伴うのでもっと広まって欲しい」
「ドライバー一人しか居なくても、体調の急変という事もありうるな。注意しよう」
「主人がタクドラになった時真っ先に不安に思ったのはまさにこの状況でした。通報してくださった事、ありがとうございます」

といった声が寄せられている。

このSOSサインはどういう時に使われるものなのか。Jタウンネットは19年12月3日、熊本タクシーの広報担当者に詳しい話を聞いた。

見つけた場合は「警察に連絡」

担当者によれば、これは乗務員が強盗や暴行などの危機に直面した際に、相手側に分からないように外部に助けを求めるサイン。「空車」「予約」などの表示がパネルから電光掲示板に切り替わった際に、このSOS機能も導入されたという。

このサインを見たら速やかに警察へ(画像が熊本タクシーの公式ツイッターより)
このサインを見たら速やかに警察へ(画像が熊本タクシーの公式ツイッターより)

担当者はSOSサインを導入したきっかけを次のように話している。

「システムの最適化・最新化によるもので、当社できっかけとなる事件があったわけではございません。交通業界の方では西鉄バスジャック事件(2000)という大きな事件があって、各メーカーの方でこういったものが順次開発されて、配備されていったという経緯でございます」

大きな事件はなくとも、酒に酔った乗客によるトラブルは年に何度かあるという。そういう場合にも、SOSサインが使われるようだ。

このほかにも、熊本タクシーでは緊急時は無線を開放する、車内の様子を撮影するなどの対策をとっており、乗務員の安心感も高まっていると担当者は話している。

では街中でSOSサインを見かけた時、どのように行動するべきなのか。担当者は、

「誤作動の場合もあるかもしれませんが、乗務員に身の危険が迫っている可能性がありますので、速やかに警察にご連絡いただけますと幸いです」

と話す。下手に割って入ると自身も危険に晒される可能性があるため、警察に通報するのが最善ということだ。

犯罪の抑止力にも

熊本タクシーでは公式ツイッターを活用することでSOSサインの周知を図っているとのこと。また、SOSサインの設置は一般人への協力を仰ぐほか、「タクシーにはこういったものがあるので犯罪等はダメですよ」というようなメッセージも込められている。この表示自体が犯罪の抑止力になるかもしれないということだ。

あるユーザーの行動をきっかけに、再び話題となったSOSサインのツイート。担当者はこのことについて、

「ご協力いただけたことへの感謝がまず一つです。タクシー業界というのは誰かが目の前で守ってくれるというわけではございませんので、事件・事故を防ぐためにも皆さまのご協力をお願いできればというところです」

と話している。

なお、タクシー乗務員に起きた緊急事態を知らせる手段としては、SOSサインのほかに「屋根の社名表示灯(行灯)を赤く点滅させる」パターンがある。こちらも見かけた場合は、もしもの場合を考えて速やかに警察に知らせることを心掛けたい。

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