水底から不気味なカッパがゴボゴボ... JR福崎駅前に設置されたオブジェが怖すぎて笑えない
「怖い」「キモい」は歓迎
そんなガジロウが水槽に登場するのは7時07分~20時07分の毎時7分・22分・37分・52分。この中途半端な時間にはちゃんとした理由があるという。
「あっちのガジロウ、こっちのガジロウと同時に出たらまずいから、地下トンネルでガーと泳いできてこっちに出て、沈んだらまた向こうに泳いでいたらいいじゃないかっていう、無理くり設定です」
そう、ガジロウは世界にたった1つの存在。間違っても違う場所で同時に目撃されることがあってはならないため、池から出てくる時間とずらしているのだ。町役場の公式サイトではかなりハードな「ガジロウのひみつ」が載っているので、興味を持った人はぜひ見てほしい。ガジロウ、毎日お疲れさま...。
水槽での登場の仕方も相まって「怖い」と話題になってしまったガジロウ。ちょっとかわいそうにも思えるが、そのことについて小川さんはどう思っているのだろうか。
「狙い通りじゃないですか。もともと子供泣かすために作ってますからね。最初に池から出しなさいって言われたのはフクちゃんサキちゃん(カッパをモチーフとした福崎町の公式キャラクター)だと分かっていたんですが、そんなん出してもお客さん来るわけないじゃないですか。どうせならめちゃくちゃ気持ち悪いの作ったれって思って。誰にも言わずに作っちゃって、ごっつ怒られましたけどね。
怖くて気持ち悪いから勝手に口コミで広まるやろなって思ってて。今も怖いとかキモいとか言われるんですけど、むしろ歓迎してる感じですね」
公式キャラクターのフクちゃんサキちゃんを差し置き、ガジロウを生み出してしまった小川さん。そんな因縁(?)もあってか、街のシンボルであるかのように駅前に置かれたにも関わらず、ガジロウは公式キャラクターではない。
しかし小川さんの目論見通り、ガジロウは町おこしに活躍。13年度には25万人だった観光客数は16年度に40万人を突破している。今年も水槽を設置したことで、さらなる増加が見込めるかもしれない。
あんなビジュアルでも見たものの心をつかんで離さない。あなたもガジロウに一度会いに行ってみては。