マニアが唸った珠玉の一杯 大阪名物「かすうどん」カップ麺の完成度がすごいらしい
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第十七回 ヤマダイ「大阪かすうどん」 文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」を紹介する連載の第十七回目です。今回は、大阪で親しまれる「かすうどん」をカップ麺で再現した、ヤマダイの「ニュータッチ 大盛大阪かすうどん」を食べていきます。
そもそも「かすうどん」とはどんなもの?
「大盛大阪かすうどん」は、「うまいヌードルニュータッチ♪」のラジオCMでおなじみの、茨城県八千代町に本社を置くヤマダイのカップ麺です。
ヤマダイの製品は主に、ノンフライ麺を使用してスープにもこだわった高級ラインの「凄麺」シリーズと、油揚げ麺を使用して廉価コスパにこだわった低価格ラインの「ニュータッチ」シリーズに分けられ、今回は「ニュータッチ」シリーズに分類される商品となっています。
「かすうどん」は、主に大阪で親しまれるうどんの一種で、「油かす」という、牛の腸を油が抜けるまでじっくり揚げたものを用いたうどんです。油かすはお好み焼きや煮物などにも用いられ、大阪ではポピュラーな食材です。
「かすうどん KASUYA」監修
そして今回の一杯は、大阪を中心に店舗展開するかすうどん専門店、「かすうどん KASUYA」が監修しています。大阪ではかなり有名なうどんチェーン店とのこと。
大阪以外でも、中央競馬会の主要4場とされる、東京競馬場、中山競馬場、京都競馬場、阪神競馬場すべてに支店を出しており、競馬ファンの方なら比較的おなじみのお店と言えるかもしれません。
「油かす」入りの揚げ玉がおいしい!
昆布やかつおの旨味に牛脂で香りをつけた甘めのつゆに、がっしりしたかための食感で太い油揚げ麺のうどんを合わせています。縮れの強い麺でつゆとよく絡み、大盛サイズの90グラムで食べ応えがありました。
そして主役の油かすですが、今回の商品では油かす入りの揚げ玉が使われています。
実際のお店で使われている油かすの形状とは異なるものの、やわらかい揚げ玉の中で硬くてコリッとした油かすの食感が心地よく、ジワッと鼻に抜けてくる牛モツならではの風味がしっかり感じ取れます。
また、カップ麺ではなかなか再現しづらいと思われる油で揚げた臨場感を、今回は揚げ玉を使用することで補っており、油に絡む牛腸の雰囲気をしっかり掴んでいました。
各社からカップ麺で使われる趣向を凝らした具が多く出ている中でも、今回の油かす入りの揚げ玉は、珠玉の一品なのは間違いありません。
とろろ昆布が溶け出した甘いつゆも魅力!
そして今回の商品、魅力は油かすだけではありません。具として入っているとろろ昆布がつゆに溶け出すことで、太い甘みが感じられ、しょうゆ味のつゆを丸く仕上げています。
油かす入りの揚げ玉の食感と風味に加え、とろろ昆布の溶け出したつゆが油かすを引き立てつつも太い甘みがあり、太くてがっしりした太い麺がボリュームもあって、これは文句ない組み合わせのおいしいカップうどんでした。
油かす揚げ玉入りのカップ焼そばも出ている!
ヤマダイからは、「大阪かすうどん」の他にも「大阪かす焼そば」という商品が出ています。こちらも「かすうどん KASUYA」監修による商品で、油かす揚げ玉が使用されています。
汁なしのカップ焼そばなので、揚げ玉を先入れしてしまうと湯切りした時に旨みがお湯とともに外に出てしまうため、この商品では揚げ玉は後入れとなっています。
後入れなので、揚げ玉の衣部分がサクサクした食感で、油かすのコリッとした噛み応えが目立てていません。また、大黒屋の「大阪名物粉もんソース」を使用した甘辛い味付けによって、油かすの風味もほとんど感じられません。
カップ焼そばとしては濃厚でおいしい一杯ではあるものの、油かす入り揚げ玉が脇役となってしまっているため、揚げ玉の味を堪能するなら焼そばよりもうどんを食べる方が良いと感じました。
コストパフォーマンス抜群の一杯
大阪周辺にお住まいの方や競馬ファンを除くと、あまりなじみがないと思われる「油かす」と「かすうどん」ですが、今回のカップ麺を食べるとその魅力がよくわかり、実際に食べてみたくなるのではないかと思います。
また、今回の商品は麺量90グラムと大盛で、油かす入りの揚げ玉を使って具も充実、とろろ昆布入りのつゆも厚みが感じられる充実した一杯にもかかわらず、定価がなんと税別180円というお手頃価格なのも高ポイント。
他社なら220円程度で売られるクオリティなので、コストパフォーマンスの高さも大きな売りだと思います。
コンビニなどでは見かけることのない手に入れ難い商品なのが玉に瑕ですが、激安系のスーパーで見かけることが多く、またネット通販でも手に入れられるので、見かけた時は油かす入りの揚げ玉を食べるために手に取ってみてはいかがでしょうか。