乗れたらラッキー? 銀座線には5%の確率でしか出会えないレア車両がある
実際に乗ってみた
そんなレトロな車両に、記者も乗ってみることにした。
赤坂見附のホームにスタンバイし、入ってくる電車の内装を確認。通常の電車は白い壁、レトロ車両は木目調なので、遠目でも判別可能だ。
20分の1の確率なので15本くらいは見送らなければならないだろう...。そう覚悟していた筆者だったが、幸運にも8本目で乗ることができた。入ってきたのを見た時は、やはりテンションが上がってしまった。
中に入ると、壁や扉が木目調だけでなく、特徴的な吊手や真鍮色の手すり、室内側面予備灯、製造者銘板・車号銘板など、細部にまでこだわりが見える。
東京メトロが運営する「銀座線リニューアル情報サイト」によれば、涙型の吊手は「リコ式吊手」といい、1000系で使われていたもの。室内側面予備灯は補助用の照明で、当時は駅の近くなど室内用照明が消えるポイントがあったため、そこで点灯していた。
現在の通常運行で点灯することはないが、かつてのイベントではそのポイントにあわせて室内予備灯だけを点灯させ、昔の様子を再現していた。
ライトはLEDを使用し、当時の色に近づけた。レトロな雰囲気を感じさせながらも先端技術を使っているのが面白いところだ。
製造者銘板・車号銘板には車両の製造会社と製造年、車両番号が刻印されている。開通当時は製造者銘板だけだったというが、100系特別仕様では車号銘板を統合した。
この車両の場合、製造年は「平成29年」になっている。
また車内からは見えないが、外観の違いにも注目したい。車両を正面から見ると、運転席の上部にライトが一つ、「前部標識灯」が付いているのがわかる。1000系量産車は電球が切れて営業に支障をきたすことがないよう2灯なのに対し、特別仕様車は1灯に。量産車で照明の信ぴょう性が証明されたことで、より1000系に近づいた外観となった。
どこか懐かしい雰囲気の車内は、乗っているだけで気分が高まり、昭和初期にタイムスリップしたかのような気分になれる。
特別仕様の銀座線車両、乗れるかどうかは運次第だ。