シュールすぎる... 商店街のかかしコンクールに「小池都知事とバンクシー」登場
かかしコンクール、きっかけは「商店街をよく見てほしいと思って」
それにしても、かかしがずらりと立ち並ぶ姿は迫力がある。近くに田んぼがあるわけでもない商店街で、なぜこのようなコンクールが始まったのだろうか。かかしコンクールを担当する、あづま屋文具店の分部登志弘さん(81)に話を聞いてみた。
20数年前、分部さんは東京都から補助金を出すため商店街で何か企画をしてほしいとの話を受けた。
稲穂が好きだという分部さんは、以前お店に来ていた営業マンに稲穂をもらってかかしと一緒に外に並べたことを思い出し、かかしコンクールの開催を思いついた。コンクールの形をとったのは、「かかし祭り」は他の地域でもたくさんあるという理由からだという。
かかしコンクールをやると決めた後も、「なんでこの場所でかかしなのか」という批判は相次いだ。そのため呉服屋さんに骨組みに着物を着せてもらい、商店街の人に見せて理解を求めた。「作り方が分からない」という人には骨組みを配るなど、参加しやすい環境を作った。
分部さんは、
「この商店街は繁華街と違って空いているけど、かかしを見て歩いていけばこんなお店もあったんだって気づくよね。商店街をよく見てほしいと思ってかかしコンクールにしました」
と、その意図を語る。
次第に出品数も増え、多い時は180体ほどの応募があった。過去には新潟・越後妻有で3年に1度開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」にも出展するなど、商店街イベントの枠を超えている。
分部さんも他県に赴いてかかし作りのワークショップを開くなど、まだまだ元気に活動しているが、かかしコンクールの今後についてはこう話している。
「これから先、続くか分からない。絶対残せとは言えないしね...」
人通りの多くない閑静な商店街だが、近所の小学生が「すごい」と声を上げながら通り過ぎ、写真を撮るため立ち止まる人も。夜はちょっと怖いかもしれないが、この先もかかしで賑わう商店街であることを願う。
(Jタウンネット編集部 笹木萌)