沖縄モノレールの乗車券、なぜQRコード? →実は「気候」が関係していた
乗車券といえば改札機に通すのが一般的だが、沖縄都市モノレール「ゆいレール」では、ちょっと珍しいやり方を採用している。
普通の切符に見えるが、そこに印刷されているのはQRコードだ。券売機で乗車券を買い、改札機でコードを読み取り、回収箱に入れるというシステム。QRコード式の乗車券は、広島の交通システム「スカイレール」や北九州モノレールなどでも採用されている。
初めて見るという人も多いのではないだろうか。この方法に、ツイッターでは、
「ゆいレールの切符が面白い、斬新」
「外見から普通の切符と勘違いして混乱」
「改札で切符の投入口が見つからなくて『!?』となって、後ろの方に迷惑をかけてしまったかもしれないことを、ここにお詫びいたします」
といった声が寄せられている。
観光客の多い沖縄だけに、勝手が分からず戸惑う利用者もいるようだが、なぜQRコードなのか。Jタウンネットは2019年8月19日、沖縄都市モノレールの総務部総務課の担当者に取材した。
汗で湿った乗車券が...
担当者によると、QRコードは2014年10月、ゆいレールと路線バスで使えるICカード「OKICA(オキカ)」と同時に導入された。それまでは磁気券を改札機に通す一般的な方法だったという。
しかし従来の方法では、温暖な気候の沖縄ならではの課題があった。汗で湿った乗車券を改札機に通すことから、たびたび紙詰まりが発生していたのだ。そんなこともあってQRコードに切り替えたようだが、紙詰まりの解消以外にも、
・通常の紙を使用しているため環境にやさしい(磁気券は産業廃棄物として処理)
・改札機に通さないため、故障が発生しにくい
といったメリットがあるようだ。
2018年度において、QRコードの切符購入者の割合は約60%。観光客が多いこともあってか、ICの40%を上回っている。
ツイッターでは一部の利用者が困惑している様子が伺われたが、実際はどうなのか。担当者に聞いてみると、
「特に観光客の多い那覇空港駅で、乗車券を反転させて読み取り部分にタッチする動作に戸惑っている様子が見られます。一度案内すると、以降の駅では比較的スムーズにタッチできているようです」
とのことだ。