地元人も「さっぱり意味がわからない」 東北地方に伝わる謎の踊り「ナニャドヤラ」とは
2019.07.20 20:00
ナニャドヤラの意味は諸説あり
岩手県九戸郡洋野町に住む元教員の工藤亨(すすむ)さんは、ナニャドヤラを独自に研究、「ロマンのナニャトウヤラ」という書籍を自費出版している。
工藤さんの書籍によれば、ナニャドヤラの意味にはいくつか説があるという。今回はその一部を抜粋する。
(1)ヘブライ(ユダヤ)語説
神学者・川守田英二の説。「ナニャドヤラ」は、イスラエルの軍歌に登場するヘブライ語の歌詞がルーツだとしている。
(2)三戸説
南北朝時代、長慶天皇が三戸郡の長谷寺に訪れた際に、「ナニャドヤラ」と聞こえるような歌を詠んだことをルーツとする説。
(3)農民の衰歌説
民俗学者・柳田国男の説。「何なりともせよかし、どうなりとなさるが良い」という意味から、農民の自暴自棄な哀歌と、男女間の恋歌、2つの意味で捉えられているようだ。
(4)試声説
唄い始めにおける「節回し」(調子、抑揚)の練習だという説。浪花節の「ナニハナニシテナントヤラ」と同じだとしている。
一般的には(1)と(3)が知られているが、そもそも日本語であるかどうかも定かでないようだ。
なお、工藤さんは書籍の中で、ナニャドヤラの世界に足を踏み入れると「泥沼に足を踏み込んだ状態になるため、この研究はやらないようにしている」という郷土研究家の言葉を紹介。その上で、
「まさにそのとおりの研究でありました」
と振り返っていた。