カラフルで幻想的、タピオカよりも美しい。仙台銘菓「九重」が密かなブーム
タピオカが流行し始めて久しいが、そろそろ飽きてきた人もいるかもしれない。そんな人におすすめしたい仙台の和菓子が、ツイッターで話題になっている。
それは、九重本舗玉澤(本社・仙台市)が製造・販売する「九重(ここのえ)」だ。
もち米・砂糖などで作られた小さな粒状のお菓子で、それぞれ緑、黄色、薄紫と色鮮やかだ。お湯、もしくは冷水に入れると、徐々に水が着色され、粒が浮かびあがる。見た目としては、カラフルなタピオカといった印象だ。
その美しさからツイッターで話題となり、NHKなどのメディアに取り上げられるなど改めて注目を集めている。
タピオカブームのどさくさに紛れて、タピオカとは違うけど仙台の「九重」を勝手に布教するぞ。
— いたち屋・7月1日 新作通販 (@itachiyaitachi) 2019年5月30日
お湯か水に入れて楽しむ、飲む和菓子。
糖衣が溶けて綺麗な色が出て中のあられが残るやつ
多分案外知られてない仙台のお土産だけどこれは良いものだ... pic.twitter.com/TJA2fNLVM7
タピオカもいいけどこっちもオススメ!
— RiSA@(?o?oo??) ??ガ━(?д?;)━ン (@tsumiha238_sub) 2019年6月11日
めっちゃ綺麗でしょ!
『九重』って言う和菓子!
美味い! pic.twitter.com/UpiRcTWJbt
タピオカの裏でささやかに流行り始めた九重を、筆者もさっそく飲んでみた。
ほどよい甘さが夏にぴったり
九重本舗玉澤は1675年に「御用御菓子司」として開業。
1901年、明治天皇が仙台に来た際に創製中の菓子を献上したところ、同行していた公家の東久世道禧(ひがしくぜ みちとみ)が、万葉集の古歌にちなんで「九重」と命名したという。
そんな歴史ある和菓子だが、商品はお手軽に買うことができる。楽天の通販で購入したところ、商品自体は税込486円だった。
緑はひき茶、黄色はゆず、薄紫はぶどうとなっている。作り方は1袋(15グラム)の九重を器に入れ、100ccのお湯もしくは水を注ぐだけ。九重と水の量で甘みを調節することができる。
今回は7月ということで冷水を使い、九重は半分くらいの量を使った。
水を注ぐと白くなった粒(ゆずは黄色のまま)がゆっくり浮かび上がってくる。
いつまでも見ていられるような幻想的な光景だ。色味が下の方に沈んでいるのだが、その様子も美しい。通りすがりの中年男性社員が「おじさんから見てもきれいだと思う」と謎の言葉を残していくほど、惹きつけるものがある。
まずはひき茶から飲んでみる。小さな粒からは想像できない深い抹茶のような味だ。ゆずはわかりづらいが、粒を噛むとほんのりと風味が漂う。ぶどうは酸味が感じられた。薄めに作ったはずだが全体的にほどよい甘さ、粒のサクサク感が感じられ、夏の午後にぴったりだ。
ヨーグルトにかけてみた
九重の楽しみ方はドリンクだけではない。パッケージを見ると、ソーダ割り、ホットミルク割り、紅茶に浮かべる、ヨーグルトにかけるなど、様々なアレンジが紹介されている。
筆者も余った九重をヨーグルトにかけてみた。
ヨーグルトにかけたばかりの九重は固く、ポリポリした食感を楽しめる。しかしヨーグルトを混ぜ、時間が経つと、ヨーグルトの水分で九重が柔らかくなる。こちらの方が味が染みて美味しく食べることができた。
筆者としては飲み物よりヨーグルトにかける方が好みだ。
買った人はぜひ、いろいろな食べ方で楽しんでほしい。