カラフルで幻想的、タピオカよりも美しい。仙台銘菓「九重」が密かなブーム
2019.07.13 12:00
ほどよい甘さが夏にぴったり
九重本舗玉澤は1675年に「御用御菓子司」として開業。
1901年、明治天皇が仙台に来た際に創製中の菓子を献上したところ、同行していた公家の東久世道禧(ひがしくぜ みちとみ)が、万葉集の古歌にちなんで「九重」と命名したという。
そんな歴史ある和菓子だが、商品はお手軽に買うことができる。楽天の通販で購入したところ、商品自体は税込486円だった。
緑はひき茶、黄色はゆず、薄紫はぶどうとなっている。作り方は1袋(15グラム)の九重を器に入れ、100ccのお湯もしくは水を注ぐだけ。九重と水の量で甘みを調節することができる。
今回は7月ということで冷水を使い、九重は半分くらいの量を使った。
水を注ぐと白くなった粒(ゆずは黄色のまま)がゆっくり浮かび上がってくる。
いつまでも見ていられるような幻想的な光景だ。色味が下の方に沈んでいるのだが、その様子も美しい。通りすがりの中年男性社員が「おじさんから見てもきれいだと思う」と謎の言葉を残していくほど、惹きつけるものがある。
まずはひき茶から飲んでみる。小さな粒からは想像できない深い抹茶のような味だ。ゆずはわかりづらいが、粒を噛むとほんのりと風味が漂う。ぶどうは酸味が感じられた。薄めに作ったはずだが全体的にほどよい甘さ、粒のサクサク感が感じられ、夏の午後にぴったりだ。