ロック、ヘビメタ、レゲエも「演奏禁止」... 上野公園野外ステージ、利用ルールが厳しすぎ?
公演がストップしたことも
2019年5月4日、上野公園の野外ステージで行われた音楽フェス「ガラフェス」に、ミュージシャンとしても活動するジャーナリストのモーリー・ロバートソンさん(56)が参加した。
その時にモーリーさんはステージ利用に際しての注意書きを投稿。これが議論の発端となった。
「厳しいです...」とのコメントと共に投稿された写真。内容は騒音対策についてだが、音楽ジャンルの規制や音圧の制限など縛りがかなりきつい。
この投稿のリプライ(返信)欄には、
「じゃあ、最初っから野外ステージ作んなよって感じですね」
「無声映画の上映くらいしか思いつかない」
「4分33秒だな、やるとしたら」
などの皮肉気な意見が寄せられている。
2019年5月7日、Jタウンネット編集部はこの注意書きについて上野恩賜公園管理所の担当者に話を聞いた。
野外ステージの利用者向けに知らされているルールで、基本的にはジャンル問わず80デシベルを超えないことが大前提になっている。そのため、
「80デシベル以下に抑えるのが難しいと思われるジャンルを記載していますが、抑えられるのであれば大丈夫です」
という。
備え付けのスピーカーの使用は可能ではあるが、音圧制限については厳格に管理される。
「リハーサルをして音量をどこまで抑えられるか打ち合わせをします」
管理所のスタッフが出向いて、機材を用いて音圧を測定。基準を超えないように細心の注意を払っている。
事前に打ち合わせをしても超えてしまう例もあるようだが、
「何年か前に(編注:80デシベルを)オーバーして公演をストップさせたことがあります」
と、万が一守れなかった時には最悪の事態もありえる。
「近隣の方の生活もあり、その支障にならないよう守っていただきたい」
演者や観客にとっては不満を抱いてしまいそうなものであるが、やはり近隣への配慮は欠かせないようだ。実際、ステージ裏手すぐの場所にはホテルもある。
ちなみに、注意書きの中で大きな基準となっている80デシベルという値。AV機器メーカーであるDENON(デノン)公式ブログによると、80デシベルは「地下鉄車内」と同等で、犬の鳴き声が90デシベルとのことだ。
ちなみに、ライブハウスでの演奏も100デシベルとの記載が。つまり、上野公園の野外ステージでは、ライブハウスと同じような音圧での演奏はルール上できないということ。そうなると、ロックやヒップホップなどのジャンルを制限しているのも、仕方がないのかもしれない。