なんだかシュールな「ブサカワ狛犬」に注目 なぜこんな顔に?神社に聞いてみると...
「天城の山犬退治」伝承
「どうして狛犬があのようなお顔をしているのかは正直わからないんです。おそらく当時の職人さんの技法だとは思っているのですが...」
Jタウンネット編集部は2019年4月18日、天城神社の宮司・浅田憲太郎さんに狛犬について話を聞いたところ、そう答えた。一風変わった表情の理由は残念ながらわからないそうだ。しかし、狛犬についてこの辺りに伝えられている伝承があるとのこと。
狛犬が奉納されたのは江戸時代にあたる1765年(明和2年)。伝承によると、当時天城の地には凶暴な山犬が住み着き、人々は悩まされていた。そんな時、肩を痛めて湯治をしに訪れた旅人が人々の悩みを聞き入れ、谷底から石を担ぎ上げて自ら弘法さんと狛犬を掘り、弘法さんは村はずれの松の根本、狛犬は神社に置いた。すると、不思議なことにいままで夜更けになると聞こえていた山犬の遠吠えが聞こえなくなったのだという。
「普通、狛犬は内側を向いているのですが、天城神社の狛犬は2頭とも天城山の方を向いているんです」
と浅田さん。付近の天城山をじっと見つめるようにして、山犬が来るのを警戒しているのだろうか。
「修善寺の横瀬八幡神社にも似たお顔をした狛犬がいらっしゃいます」
なんと同じような顔をした狛犬がほかにもいるという。しかし、残念ながら天城神社の狛犬とのつながりは不明なのだそうだ。
「可愛い狛犬」として時を越えて話題となった天城神社の狛犬。浅田さんは、
「ぜひとも狛犬さんに会いに天城神社に参拝に来ていただければ」
と述べていた。