遊び心だらけ! 謎すぎるハンコ屋で、自分だけの「ユル印鑑」を作ってみた
日暮里駅からすぐの場所にある「谷中銀座商店街」。テレビ番組に数多く取り上げられ、東京の下町商店街でも随一の人気を誇っている。
その谷中銀座には、何とも奇妙な雰囲気を放つハンコ屋がある。「邪悪なハンコ屋 しにものぐるい」と名前も不可思議なこの店。一体、どんな場所なのだろうか。実際に訪れて、オリジナルのハンコを作ってきた。
職場や宅配受取で使えるぞ
このハンコ屋は偶然ツイッターで発見した。「日暮里でめっちゃ良いハンコ屋見つけて作った」「邪悪なハンコ屋さんでかわいい認印作った」などすでにウワサの店のよう。インターネット通販もあるが、店舗は場所も近い。
そこで2019年4月4日、谷中銀座に向かった。有名な夕焼けだんだんを下った先にその場所はあった。
物々しい名前に比べるとユルい雰囲気だ。
店内に入ると様々なデザインの見本が壁に貼られている。猫やウサギはわかるにしても、歴史上の偉人やミジンコなど実際に使ってウケなかった時のショックが多きそうなものまで多岐にわたる。
筆者が訪れた4月4日時点で570種類。店員さんによると今後少しずつ増えていくという。
店内の壁にある見本がすべてではなく、店内に用意されているファイルにもレパートリーが収めてある。
とはいえ、壁に貼られているもののインパクトが強すぎてファイルを開く前に決めてしまいそうだ。
しかし、ちゃんと吟味しなければならない。編集部を出かける直前にS編集長から、
「面白いものを買ってきてね(眩しい笑顔)」
と圧力をかけられていた。
そこまで急いでいないのでじっくりと確かめる。
ユルい雰囲気と別にここではかなり細かくタイプを決められる。デザインは勿論のこと、スタッフの手書きも選べる「書体」、インクの色、ハンコのタイプとこだわりが強く反映できる。
筆者は浸透印というスタンプ台のいらないタイプを選択。デザインもシャレの効いたものを選んだ。
注文票を提出して30分ほどでハンコが完成。出来上がるまでは人生初の谷中銀座を楽しんだ。
かわいい猫のケースに完成した印鑑が入って完成。価格は2800円(税込)。
早速会社に持って帰ってスタンプした。
選んだのは「シェケナベイビー」と名付けられたもの。手書き書体の筆者の姓と、敬愛するあのロックンローラーにそっくりのイラストが描かれている。
余談だが、筆者の名は「雄也」であるためイラストの彼と合わせてフルネームの印鑑になる仕組みだ。
圧をかけたS編集長も大笑い。これなら大成功だ。
そもそもこんなふざけたハンコが使えるのかと疑問に思うかもしれないが、シャレの通じる職場なら書類の認印に、自宅なら宅配の受け取りに――といった使い道が店の公式サイトで紹介されている。
買ってみると退職願にも使ってやりたいほど愛おしくなるから不思議だ。
谷中銀座に行かずともインターネットで買える笑えるハンコ。1つ持っておけば心の余裕が広がるかねしれない。