謎ブーム「水を吐くフグ」、陶芸家の手で急須になる その名も「お茶を吐くフグ」
急須の体型もフグ寄りに
「水を吐くフグ」ブームの発端は2019年3月10日。
東京新聞の「親子で学ぶぅ」のツイッターアカウントが、温泉水で養殖されているフグの写真を投稿したところ、丸く膨らんだフグが威勢よく水を吐き出しているユーモラスな様がたちまちネットユーザーに人気となった。
イラスト・アクセサリー・動画など至るところでこのフグをモチーフにした作品が生まれている。
ホテルを運営する秋田県の会社が、岩手県雫石町で温泉水を使って #トラフグ を育てています。さし身やちり鍋にして宿泊客に出し、好評です。フグの毒は海で食べる貝や海藻がもとになるとされ、温泉水育ちのフグは毒がなくて、安心といいます。https://t.co/w3Xjf1zZ1r pic.twitter.com/ialCgmwvRc
— 親子で学ぶぅ(東京新聞) (@oyakode_manaboo) 2019年3月10日
枯山水さんが投稿したフグの急須は実はまだ完成前の状態で、作り始めてまだ2日目。陶土を整形した段階で、乾燥→焼成→自然乾燥という段階を経るため、完成は4月上旬になる予定だ。
水を吐くフグブームを受けての作品なので、通常の急須よりもフグらしく丸みを帯びた造形にしたのがポイント。ただし、リアルなフグに寄せすぎると使い勝手が悪くなってしまうのと、枯山水さん曰く「遊び半分」で作ったとのことなので、急須の丸い造形ももっと改善できたかもしれないと思っている。
「使いにくいぞコイツ」と枯山水さん自身もツイートしているように、芸術性と使いやすさのバランスを取ることが課題のようだ。
フグの口を模した注ぎ口も同様で、焼成してみないとどの程度注ぎやすいかどうかは分からない。いずれにせよ完成時の出来栄えを見てからとのことで、上手くいけば商品化できるかもしれないと考えている。
枯山水さんは普段食器や花瓶、鉢やペンダントなど日用品を制作しているが、時々ネットの流行をヒントにこうした遊び心を盛り込んだ作品を制作している。このセンスあふれるお茶を吐くフグの急須も完成して本当に「お茶を吐く」ようになったらどうなるか楽しみだ。