降りてもどこにも行けません 斬新すぎる「出入口のない駅」が誕生した理由
駅の概念が覆ってしまいそうな「秘境駅」ができる――。いまネット上ではそんな投稿が注目を集めている。その駅の様子が、こちらだ。
ホームに屋根があるだけで、一見すると寂しい印象を受けてしまう。上の画像は錦川鉄道(山口県岩国市)の錦川清流線で2019年3月17日に開業する「清流みはらし駅」の様子だ。
イベント列車などに乗車した乗客だけが訪れることのできる場所で、眼下に流れる清流錦川などあたりの風景を楽しむためだけに開業されるのだという。ネット上では、
「駅出口という概念がない、展望専用駅とは...」
「秘境駅すぎやろw」
との声が上がり、話題となっている。
マニアだけでなく、いろんな人に
Jタウンネット編集部は15日、錦川鉄道営業担当副課長の杉原孝幸さんにどういった経緯で駅が開業する運びとなったのか聞いたところ、
「この辺りではこれまで通過型の観光が多く、滞在時間が短いということがありました。絶景ポイントを整備し、停車して地域の風景を楽しんでもらえたらという思いで開業に至りました」
とのこと。駅名は、車窓から見える清流錦川などの綺麗な風景をみはらせる駅になればと公募により命名したそうだ。
本当に列車のほかに駅に行く術はないのか聞くと、
「駅の立地条件から列車以外では行きつかない場所なんです。当面は利き酒列車(編中:2019年は3/31~4/1に運行)などのイベント列車のみでの活用を検討しています」
やはり現状ではイベント列車のみが行けるレア駅のようだ。しかし、
「お客様のご希望があれば、一日一往復にかぎり臨時列車を走らせることも可能です」
と期待を匂わせた。すでに申込も多くあるそうだ。
今回ネット上で「秘境駅すぎる」と話題になったことの感想を聞くと、
「いわゆる『秘境駅』ということで、どちらかというマニアの方の興味を引くところではあると思いますが、マニアの方に限らず広く一般の方も弊社の電車に乗ってお越しいただきたいです。いろんな方に知っていただいて、山口県の観光周遊につながればと思います」
列車でしか行けない清流みはらし駅。山口県の新たな観光名所として訪れる人を楽しませてくれそうだ。