山形に「サクランボの漬物」があった! 見た目フルーツ、気になる味は「ほぼ梅干し」
なぜ、サクランボを漬物にしようと思ったのか――。甘酸っぱい果実を「しば漬け」のように漬け込んだ一品が、サクランボの名産地・山形県で売られていた。
そもそものコンセプトも気になるが、味の方はどうなのか。さっそく、編集部総出で食レポしてみた。
本当に大丈夫なのか?
これは米沢市に旅行に出かけた友人からいただいたお土産。何か面白そうなものがあったら買ってきてほしいと頼んではいたが、予想以上の逸品だった。
「小さな恋人」なのに「しば漬け風味」と、いささか認識のズレを感じる。裏面の説明を読むと、
「山形特産さくらんぼを四季を通して味わって頂きたいと言うことから漬物として誕生しました」
さくらんぼの旬はほんの一瞬。また、山形県内陸地方は「東の山形、西の京都」と言われることもあるほど漬物文化が盛ん。種類の豊富さ、作る技術の高さは全国でもトップクラス。名物のさくらんぼが漬物になっていても不思議ではないバックボーンがあった。
しば漬け風味にしている理由については、
「魚・肉食が多い現代では、人間の健康上の理由から酢漬けが最適であるので『しば漬け風味』と致しました」(原文ママ)
としている。
2019年3月4日、Jタウンネット編集部はさくらんぼ漬を製造する渡辺近七商店の担当者に電話を通じて話を聞いた。少なくとも30年は販売されているというロングセラー。どのように食べられているのか聞くと、
「弁当のお飾りみたいにちょこんと添えるのが向いています」
とのこと。一度に大量に食べるものではなく、ちょっとずつ食べるのがオススメらしい。
取材の時点でまだ封を開けていなかったため、味の印象についても聞いた。
「梅干しの食べやすい感じです」
ますます気になるが、中々食べる勇気が出てこない。というのも、筆者はサクランボが苦手。でも、ほかの編集部員に食べさせて筆者だけ食べないわけにはいかないのだ。
まさかの好評
ビビっていては男が廃る。こんなことではS編集長に「そんなことだからチェリーボーイのままなんだ」と言われてしまう。ひとまず袋を開けるところからチャレンジだ。
苦手のオンパレードで少しビビっていたが、漬け汁の香りに驚いた。酸味のトゲを甘みが包み込むような香りが漂う。これはもしかすると自分でも食べられるのではないか。
こういうときだけ年齢を引き合いに出して年上のN記者に食べさせた。とりあえず、毒見を頼んだのだ。
口に入れると少し驚いた表情をしながら、
「梅干しなんですよ。サクランボ感がゼロ」
と首をかしげながらコメント。ちょっと気になる言い方だったので、筆者も口に放った。
さくらんぼってこんな感じだったな――梅干しといっても梅味のキャンデーであるロッテの「小梅」に味が近い。本物の梅干しよりも圧倒的に食べやすい。
入社して間もないT記者にも食べていただいた。
「サクランボではない。梅干し感が強くて、お酒のおつまみになりそう」
ここまで誰もサクランボを感じていないが、筆者も含めて「マズい」と感じた者はいない。
続いてはJ-CASTニュースのT編集長とK副編集長にも食べていただいた。
T編集長「酒のつまみに良さそう。食べているうちに甘酸っぱさが出てきていい感じ」
K副編集長「チューハイに入れたいですね。うまい」
いつも激辛など変わり種を持ち込んでいる筆者だが、かつてないほどの好評を得ている。
ほかのJ-CASTニュースの面々にも食べていただいたが軒並み好評だった。
しかし、JタウンネットのS編集長だけは別。元からしば漬けが苦手だったせいか、唯一の不評だった。
普通のサクランボのままでは食べられなかった筆者もフィットした「さくらんぼ漬」。皆さんも、一度は挑戦してほしい逸品だった。