語尾の「ですわ」、使うのはお嬢様?関西人? 言葉の違い、マジメに調べてみた
同じ「ですわ」でも...
では、関西弁で「役割語」を担うのは何だろうか。
まず浮かぶのは、語尾の「や」「やねん」、「おおきに」「さかいに」「ぎょうさん」「ごっつ」などだろう。「カードキャプターさくら」のケロちゃん(ケルベロス)や、「名探偵コナン」の服部平次など、アニメキャラの話し方で考えると分かりやすい。
総じていえば、現代の日常会話ではあまり使われない、誇張された話法と見ていいだろう。戦後のヤクザ映画やお笑いタレントの影響で関西弁のステレオタイプとして定着した、河内弁や泉州弁あたりのきつい表現だ。
では、「ですわ」はどうだろうか。このように、語尾に「わ」をつける用法は日常的に珍しくない。関西の男性はよく使っているイメージだ。そういう意味では、「ですわ」は純粋な役割語とはいえないだろう。
つまり、冒頭のツイートを改めて考えてみると、同じ「ですわ」とはいえ、関西のおっさんが使うのは日常方言(話し言葉)の側面が強く、お嬢様が使うのは、フィクションの世界で用いられる役割語の側面が強い。
このように、一口に「ですわ」といっても、アクセントのほかにこのような違いがあるわけだ。今回のツイートをきっかけにして、改めて日本語の面白さに触れられた。
「参考文献:金水敏『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』岩波書店、2003」