「千と千尋」舞台で楽しむ混浴温泉 迷路みたいな旅館の奥、湯船がひっそりと...【群馬・積善館】
混浴女子とめぐる!ニッポン秘湯図鑑
第七回 群馬・四万温泉 積善館 文・写真:蜜月檸檬
こんにちは、混浴温泉に魅せられて全国の秘湯をめぐっている蜜月檸檬です。毎回ひとつの混浴温泉にスポットを当てて魅力をお伝えしている連載の第七回。今回ご紹介する混浴温泉は、「千と千尋の神隠し」のモデルになった宿の1つとされる「四万温泉 積善館」をご紹介します。
四万温泉は、国が定める「国民保養温泉地」の第一号に指定された温泉地です。
湧出量が豊富で効能ある温泉と、景観が優れた環境の良い温泉地であることが環境省により認められています。
「四万温泉 積善館」は、今から300年以上前の元禄時代に四万温泉に開業した歴史ある旅館です。
大正ロマンの雰囲気が漂う「元禄の湯」
積善館といえばモダンなホール造りのお風呂「元禄の湯」が有名です。国の登録有形文化財にも指定されている元禄の湯は混浴ではなく、男女別々の内風呂です。
元禄の湯は、旅館の正面1階に位置し、印象的なアーチ窓が赤い橋を渡った外観からも見えて積善館を独特の雰囲気にしています。
積善館に混浴温泉があるの?そう驚いた人もいるかもしれません。
迷路のような造りになっている旅館の2階に、混浴の岩風呂へ降りる階段がひっそりとあります。そこを降りていくと、混浴岩風呂に辿り着けるのです。
岩風呂の湯船の前が、擦りガラスで透けた男女別の脱衣所になっています。湯船からも人が来たことが透けて見えるので、ちょっとドキドキします。
この日は男性が何名か途中でいらっしゃいましたが、脱衣所の擦りガラスの扉を開けるとすぐ目の前の湯船に私が入っていたので皆さんビックリされていました。
岩風呂は9時から21時までが混浴の時間です。11時から16時までの日帰り入浴でも入ることができます。
「千と千尋の神隠し」の幻想的な世界に迷い込む
積善館はアニメ映画「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋「油屋」のイメージモデルになったと言われています。
旅館へ行くまでの国道がメロディーラインになっていて、車で走ると千と千尋の神隠しの主題歌「いつも何度でも」のメロディが聴こえてくるので映画の世界へ入り込むような期待感で旅館へ着きます。
日が落ちて赤い橋から灯りがともった旅館はとても幻想的な雰囲気でした。
昼間も素敵ですが、夜はライトアップされより一層映画の雰囲気に近づきます。
積善館は、玉手箱みたいに何が出てくるかわからないような楽しさとたくさんの秘密の宝物が詰まった旅館。お伽話の世界に迷い込んだような旅館の中に、ひっそり隠れた混浴温泉を見つけ出して入るのも楽しいですね。