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北九州でワインを造る! 構想20年、小さなワイナリーが特区で生まれた

城戸 譲

城戸 譲

2018.09.24 20:00
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代々農家だが、ブドウづくりはしていなかった

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藤田さん一家は、この土地で代々農業を営んでいるが、以前はブドウを作っていなかった。いまから20年ほど前、当時藤田さんは建築の専門学校に通っていたが、農業のエッセイを読んだり、国内ワイナリーの先行事例を耳にしたりするうちに、ワインに興味を持つようになったそうだ。

「先祖から受け継いだ土地で、なにかできないかなと考えたときに、たまたま日本でワイン造りをしているところが少しずつ出てきました。最初は『日本でも造っている人がいるんだな』くらいだったのですが、就農していろんな作物を育てるなかで『いつかはブドウを育てたいな』と考えるようになりました」
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その後も、ワイン用ではない食用ブドウを栽培するなど、「夢」の実現に向けて、着々と準備を重ねた。具現化したのは2012年、長野のワイナリーで体験醸造に参加してから。翌年に「まず自分で植えてみないと始まらない」と、苗木を取り寄せ、試験栽培をスタートした。

「将来ワインを作れたらいいなぁと漠然と思い描いていたのが、体験醸造に参加してから具体的に動き出しました。それから宮崎県の都城ワイナリーさんで、栽培・収穫から醸造までをさせてもらったり、去年は都農(つの)ワイナリーさんに1か月くらい住み込んで、一連の工程をさせてもらったりしました」

13年から栽培をはじめたワイン用のブドウは、他のワイナリーでの委託醸造を経て、18年6月に自家醸造の「ワタリセメルロー2017」として形になった。それらは北九州市や福岡市内の酒店5~6軒で販売されているという。

地産地消のワインを目指して
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