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漢検の合格率「京都」「奈良」「長野」が強い理由を考察してみた

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.06.16 20:00
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2015年からトップ3は同じ府県で構成

協会によれば、都道府県別合格率の調査は14年よりスタートしているという。小学生・中学生・高校生別の結果に加え、15年からは総合結果が発表されている。

この京都府・奈良県・長野県の3府県、実は過去2年の総合結果を見てもトップ3にランクインしている。それぞれ、16年度は平均合格率が54.4%のところ、1位長野県(63.1%)、2位京都府(61.0%)、3位奈良県(60.4%)の順、15年度は平均合格率が54.3%のところ、1位長野県(63.2%)、2位奈良県(61.3%)、3位京都府(60.6%)の順だ。

漢検の都道府県別ランキング(画像は日本漢字能力検定協会提供)
漢検の都道府県別ランキング(画像は日本漢字能力検定協会提供)

では、一体何故なのだろうか。独自に少し考えてみよう。まず1つには、受験者の数だ。もし人口と受験者数が比例するとすれば、合格者が多く出ても、母数が多ければ合格率は上がりづらい。一方、地方であれば受験者数も相対的に少なくなるため、合格者数が増えれば合格率は上がりやすい、というワケだ。東京都出身の筆者の経験で恐縮だが、中学の頃半ば強制的に受けた記憶もあるので、受験者の質もまばらなのかもしれない。

他にも、府県の特性も考えてもいいだろう。たとえば、長野県では「白文帳」という漢字練習用のノートが存在する。A5サイズで30枚つづりのもので、昭和10年代(1935~45年)に長野県松本市内の漢文教師が考案したものだ。当時から今に至るまで、白文帳の制作は文運堂(東京都渋谷区)が担っている。これが教育現場で用いられていれば漢字への親しみも強くなることが想像できる。

京都府は協会のおひざ元とあり、「漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)」なるものがあり、漢字に関する展示などが存在する。なお、この施設の館長を務めているのが日本漢字能力検定の代表理事を務める高坂節三氏だ。

奈良県では地名の読み方が難しい地域が多い。これは京都府でも同様の問題である。たとえば「上」、「藺生」、「櫟枝」「城殿」。それぞれ、「かむら」「いう」「いちえだ」「きどの」と読む。以前、Jタウンネットでも「いくつ読める?奈良の難読地名」で取り上げた通りだ。上の漢字を読めた人はそう多くはあるまいが、奈良県民であればこうした難しい読みの漢字に触れ続けていることもあってか、漢字の実力が自然についているのかも。

2018年度もまた、この「御三家」が上位を独占するのか?!

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