「すた丼」にリベンジ! 新商品試食会で「大学時代の自分」とフードファイトバトルした話
周囲の記者が「食えないよこの量...」
「タダメシが食えるのでは」という下心があったことは否定しないが、その一方で「以前完食できなかった」トラウマ(?)との板挟みにさいなまれながらも、行くことを決意。「今こそ、すた丼にリベンジする時である」などと正当化しながら、編集長からのGoサインを取り付けた。
当日は朝食を軽めに済ませ、すた丼との戦いに備える。試食会場は厨房のようなところで、隅に用意された机に案内された。しばらくすると、今回の「がっつき塩ホル丼」が現れた。
提供されたとき、他社の記者が「食えないよこの量......」と弱音を吐いていたものの、この場にリベンジすべく来ているから弱音など吐いていられない。ひとまず箸を取って頂く。野菜などは油で炒めており、しっかりと甘みも出ている。かなりしっかりとした塩ダレで味付けされており、ご飯との相性は抜群だ。
また、とろろも米の上にかかっており、幾分の粘りがアクセントになっている。また、丼を流し込みたい時に重宝する。一気にかき込みたいときにはてき面だろう。
注目すべきは商品名にも盛り込まれているホルモンだ。ホルモンと言えば、噛み切れないために飲み込むタイミングが謎であることで知られるが、このホルモンは実にやわらかく、食べやすい。また、噛めば噛むほど豚独特の風味が出てくることもあり、丼の中でも大きな存在感を放っている。
最初は実に快調に食べ進めていた。まあ、どんな「すた丼」も最初は腹が減っているから美味しいのである。問題は、3分の2くらいを食べきってからだ。
急に満腹感が筆者を襲う。「あれ? もう食べられないのかな」と思いながら、感情を殺して箸を口に運び続ける。しかし無心で食べ続けたのが仇になったのか、強い腹部膨満感が。
しかし、ここで残すのは、商品を用意してくれた調理担当者に礼を失する。まして個人的なリベンジの意味合いもあり、そもそも来た意味がなくなってしまう。
......そんなことを思うと、何が何でも食べきらねばならないという思いが強くなっていった。もはやこれは、男の矜持である。現実とプライドとの戦いの中、お茶で流し込み、ついに完食することができた。これが勝利の味である。
「食べきれた――」
そう安堵したのもつかの間、調理担当者が「時間があればこちらも」と一言。
何事かと思い振り向くと、そこには......。