ふるさとの親に「介護Uターン」で寄り添いませんか? 北九州市、首都圏在住者に新提案
寄り添って介護するメリットは?
とはいえ、「介護に適した土地でも、仕事と介護の両立はハードルが高いんじゃない?」と、二の足を踏む人も多いだろう。しかし、仕事と介護の両立支援の専門家である、パソナライフケアの継枝綾子さんは、Uターン後の介護には多くのメリットがあると語る。
継枝さんによれば、介護の鉄則は「早期発見、早期対策」。近距離で介護すると、早めに対策できるうえ、いざという時に「もっと早く気付いてあげればよかった」といった後悔を回避できるチャンスがある。また、介護保険を活用する上で必須となる、ケアマネジャーやサービス事業者とのコミュニケーションも迅速になる。そして、「両親と過ごせなかった『空白の時間』」を埋められることもポイントだそうだ。
もっとも、実際にUターンをするには、慎重な準備が必要だ。次の職が見つかる前に、早々と移住してしまうのは、思わぬ失敗につながりかねない。勤務先の介護休暇制度を活用しつつ、退職前に現地調査しておくのがよさそうだ。
イベントでは、北九州市U・Iターン応援オフィスの安田亜紀子さんから、介護Uターンの事例も紹介された。「セカンドキャリア支援プロジェクト」を活用して、静岡県から北九州市内の企業へ転職したYさん。Uターン時は57歳で、初めは、応援オフィスにふらりと立ち寄った。年齢もあって、転職先を探してもらえるか半信半疑だったが、アドバイスに沿って履歴書・職務経歴書を提出したところ、経験を生かした職種に就くことができた。
北九州市は今後も、東京事務所などの首都圏で、U・Iターンや移住に関するイベントを行っていく予定だ。また、同市小倉北区と東京事務所内に常設している「北九州市U・Iターン応援オフィス」でも、随時相談を受け付けている。<企画編集:Jタウンネット>