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「座りたくても座れない椅子」は、本当に椅子なのか?→現地へ行ってみると...

松葉 純一

松葉 純一

2017.12.15 21:00
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2017年12月12日、次のような写真付きのツイートが投稿され、話題となっている。

写真には、不思議な形の物体がある。ベンチのようでもあるが、とても座れるスペースはなさそうだ。これはいったい何だろう? 奥の方に「八重洲地下街」と書かれた標識が見えるので、おそらく東京駅八重洲口側の街路だろう。

「寝ることはおろか、座ることすら許されない不寛容社会」というコメントが添えられている。ますます不可解だ。

このツイートには6000を超えるリツイートがあり、5900を超える「いいね」が付いており、今も拡散し続けている。

「これって何のために設置してるんですか?」

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

疑問の声が多い。

近年、路上生活者などがベンチで寝泊まりすることを防ぐため、一部に区切りや突起物を付けるケースが少なくない。批判の多くは、この「座れない椅子」も同様の狙いではないか、と疑うものだ。

そこでJタウンネット編集部は現地に赴き、実物を見ることにした。

八重洲中央口の、外堀通りを挟んだ向かい側の歩道、八重洲地下街への出入り口のすぐ隣りに、目指す物体はあった。

濃いブルーの円柱が何本も並ぶ(写真はすべてJタウンネット編集部撮影)
濃いブルーの円柱が何本も並ぶ(写真はすべてJタウンネット編集部撮影)

実際に見ると、確かに異様だ。濃いブルーに塗られた円柱のような物体が4個並んでいる。道路を挟んだ先の歩道脇にも、もう1個見える。

なんとなくオブジェのようでもある
なんとなくオブジェのようでもある

それぞれの円柱には、細長い板が取り付けられている。このエッジのような板がなんとも奇妙な印象だ。まさに「寝ることはおろか、座ることすら許されない」、「座ることを拒否する椅子」のように見える。これは一種の芸術作品、オブジェなのか。

円柱の上の細長い板が異様
円柱の上の細長い板が異様

「このエッジ、とがった上を平均台の様に歩いてみろ!」と言われても、歩くのはちょっと無理だろう。むしろ子どもたちが遊ぶと危険かもしれない。椅子ではない、体操用遊具でもない、芸術作品でもないとしたら、いったい何なのだろう。

細長い板に、下のようなマークが付けられているのに気が付いた。

駐輪禁止のマークだった
駐輪禁止のマークだった

駐輪禁止のマークだ。なるほど東京駅周辺の歩道には、多くの自転車が停められているのを見かけた。無法駐輪が後を絶たないための対抗措置、それが「座りたくても座れない」椅子の目的のようだ。

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