「座りたくても座れない椅子」は、本当に椅子なのか?→現地へ行ってみると...
2017年12月12日、次のような写真付きのツイートが投稿され、話題となっている。
寝ることはおろか、座ることすら許されない不寛容社会 pic.twitter.com/Ac2M9Y7CmN
— 路地徘徊人 (@C_Kyoro) 2017年12月12日
写真には、不思議な形の物体がある。ベンチのようでもあるが、とても座れるスペースはなさそうだ。これはいったい何だろう? 奥の方に「八重洲地下街」と書かれた標識が見えるので、おそらく東京駅八重洲口側の街路だろう。
「寝ることはおろか、座ることすら許されない不寛容社会」というコメントが添えられている。ますます不可解だ。
このツイートには6000を超えるリツイートがあり、5900を超える「いいね」が付いており、今も拡散し続けている。
「これって何のために設置してるんですか?」
ツイッターにはこんな声が寄せられている。
これは東京駅前でしょうか。多くの高齢者や障害を持つ人も利用するであろう場所で何を考えているんだ。
— 日刊法律ニュース (@lawya_jp) 2017年12月13日
素朴な疑問なんですがこれって何のために設置してるんですか?
— 森の縞 (@nantchouka) 2017年12月13日
自転車よけ? オブジェでもなさそうだし。。。
このエッジ、とがった上を平均台の様に歩いてみろ!という意味でしょうか?最近の公園って子供向けの遊具が少なく、逆に大人向けの健康増進器具が置かれています。でもこの上を歩いていて足踏み外したら、また裂きの刑になりそうで怖い...??
— 絵之本 桜 (@gekkabijin) 2017年12月13日
疑問の声が多い。
近年、路上生活者などがベンチで寝泊まりすることを防ぐため、一部に区切りや突起物を付けるケースが少なくない。批判の多くは、この「座れない椅子」も同様の狙いではないか、と疑うものだ。
そこでJタウンネット編集部は現地に赴き、実物を見ることにした。
八重洲中央口の、外堀通りを挟んだ向かい側の歩道、八重洲地下街への出入り口のすぐ隣りに、目指す物体はあった。
実際に見ると、確かに異様だ。濃いブルーに塗られた円柱のような物体が4個並んでいる。道路を挟んだ先の歩道脇にも、もう1個見える。
それぞれの円柱には、細長い板が取り付けられている。このエッジのような板がなんとも奇妙な印象だ。まさに「寝ることはおろか、座ることすら許されない」、「座ることを拒否する椅子」のように見える。これは一種の芸術作品、オブジェなのか。
「このエッジ、とがった上を平均台の様に歩いてみろ!」と言われても、歩くのはちょっと無理だろう。むしろ子どもたちが遊ぶと危険かもしれない。椅子ではない、体操用遊具でもない、芸術作品でもないとしたら、いったい何なのだろう。
細長い板に、下のようなマークが付けられているのに気が付いた。
駐輪禁止のマークだ。なるほど東京駅周辺の歩道には、多くの自転車が停められているのを見かけた。無法駐輪が後を絶たないための対抗措置、それが「座りたくても座れない」椅子の目的のようだ。