「縁切りスポット」、板橋にあり 多くの人が訪れる「縁切榎」に見る人間模様
祭られていたのは「第六天魔王」
「縁切榎」は、都営三田線の板橋本町駅から徒歩数分、旧中山道の一角に位置する。敷地は非常に狭く、10人もいれば境内は混雑してしまうだろう。
榎はあくまで立ち位置としてはご神木であり、元々祭られていたのは「大六天神」、仏教の修行を妨害する魔とされている。「第六天魔王」とも呼ばれ、織田信長の異名にもなっている。どことなく物々しい由来があるようだ。
鳥居のそばに立つ2本の木が、神木の「縁切榎」だ。現在生えているのは3代目だが、初代の一部は石碑に埋め込まれ、敷地内に安置されている。
入口にあった解説によると、難病との縁切り、良縁を結ぶなどのご利益がある、とされている。しかし、「嫁入りの際には、縁が短くなることをおそれ、その下を通らなかった」という言い伝えも書かれてあるため、切るのは悪縁だけではない、とも受け取れる。この場所の縁切りの力は相当強そうだ。
境内は無人だが、絵馬は近所のお店「長寿庵」で、おみくじは備え付けられたガシャポンから100円で購入できる。
ためしに引いてみたおみくじは「末吉」と微妙なものだったが、書かれていた内容は含蓄のあるものだった。縁を切るとは変わること、そのために必要なことなどが書かれていた。