高齢化社会の新たな「インフラ」へ? 地方で活躍する「移動販売車」たち
買い物支援ともう1つの使命
日常の買い物が困難な状況に置かれている、60歳以上のいわゆる買い物弱者は国内におよそ700万人以上いると言われています。
そんななか人気なのが移動販売車。県内の島や山あいの町で活躍中の移動販売車に密着しました。
瀬戸内海の、ほぼ中央に位置する大崎上島町。
島の中を軽快に走る軽トラックは、JA広島ゆたかが運営する移動販売車JAおとどけたい。
荷台には総菜や刺身などの食料品から洗剤やティッシュといった日用品までおよそ300種類の商品が積み込まれています。
JAおとどけたいがスタートしたのは3年前。
当時町内の高齢化率は45.6%で、車や免許を持たない高齢者が多い中、小売店などが次々と閉店していったそうです。
JA広島ゆたか経済部・柏田恒佳部長は「待っている商売より出て行く商売の方がいいんじゃないかいうこと、特に女性の方は品物を見て買い物したいという意見がかなりありまして」この移動販売のきっかけを話されていました。
買い物客の中には、家から出ること自体が目的になっている人もいます。
この3年間で利用者数・売り上げ額 約1.5倍アップとのこと。
移動販売が好調な要因の一つに、販売を担当するのが元JA職員でお客と顔なじみということもあげられます。
JA廣島ゆたかは今年4月にさらに一台導入予定で、大崎上島町を3台体制で巡回予定だそうです。
実は移動販売車には、買い物支援サービス以外にも大切な使命があるといいます。
JA広島ゆたか経済部の柏田さんは「少しでもお役に立てればということで、見守りというのも念頭に入れて今やっておるんです」とのこと。
一人暮らしの高齢者の安否確認も、役割のひとつとなっているとのことです。