イカ焼き=丸焼き? 粉もん? どっち派か、都道府県別に聞いてみると...
「丸焼き派」と「粉もん派」の勢力争いは?
結果は、「イカを丸ごと焼いたもの」が673票(66.8%)、3人に2人は「イカ丸焼き」と認識している。また「イカ入りお好み焼き風のもの」は320票(31.8%)、約3分の1弱が「イカ入りお好み焼き風・粉もん」と捉えている。「その他」は14票(1.4%)という結果だった。下の円グラフをご参照いただきたい。
都道府県別に見てみよう。各県ごとの最多得票を色分けすると、上のような日本地図になった。「イカ丸焼き派」が優勢な地域のグリーンは、ほぼ全国に広がっている。
北海道 (100%)、青森県(71.4%)、秋田県(100%)、宮城県(70%)など、北日本の各県では、「イカ丸焼き」率が高い。栃木県(87.5%)、群馬県(100%)、埼玉県(93.8%)、千葉県(92.9%)など、関東各県の高さも際立っていると言えよう。全国から人が集まる東京都は71.1%で、全国平均よりやや上。神奈川県は80.6%だった。
一方、「お好み焼き風・粉もん派」が優勢な、黄色の地域は、関西と中国・四国地方に固まっている。大阪府(79.7%)、兵庫県(59.1%)、奈良県(87.5%)と、近畿の「粉もん」率は圧倒的に高い。島根県(62.5%)、山口県(66.7%)、愛媛県(66.7%)も高かった。
粉もんの「イカ焼き」の発祥については、せんべい職人の賄い料理として始まったとか、住吉大社境内の屋台で販売されていたなど、諸説ある。1957年、大阪・梅田の阪神百貨店にイカ焼き店が出店したことがきっかけで、爆発的な人気となり、各地へと広がっていったようだ。
独特なモチモチ感と口いっぱいに広がる旨味が特徴で、「早い、安い、旨い」の三拍子揃った庶民の味として、こよなく愛されている。「デラバン」と呼ばれる、タマゴ入りのデラックス版や、ネギ入りの「和風デラ」などのほか、具材によってさまざまなバリエーションがあり、根強い人気に支えられている。
思えば、「焼き鳥」「焼き肉」「焼き魚」など、素材をそのまま焼く料理は「焼き○○」と呼ばれることが多いのに対し、「たこ焼き」「お好み焼き」「もんじゃ焼き」など、別の食材とあえるなどした料理は「○○焼き」とされることが多い。
その理屈から考えれば、全国区の「イカ焼き」は「焼きイカ」、関西の「イカ焼き」こそが正当な「イカ焼き」なのでは、という論も成り立ちそうだが――。