「ケミカルライト(サイリウム)」の歴史は、こんなに壮大だった! 老舗・ルミカに聞く開発秘話
大規模ライブの際は在庫がなくなることも
西城秀樹さんやその後のアイドル、そしてAKB48などを経て、コンサート会場に定着したケミカルライトだが、その開発には混乱があったようだ。
道脇さんは、コンサートでの使用を前提に作った最初の製品である2007年発売の「大閃光」に関して、
「大閃光の特徴は、凄く明るく光る分発光時間が短いんです。最初は『ちょっとしか発光しないものでいいんだろうか』という声はありました。それまでアウトドアがメインだったので、コンサート市場で求められる商品のスペックがイメージ出来ませんでした」
と、当時のことを語った。それまでのアウトドア用とは反対の仕様が求められたため、若干の混乱があったという。
しかし、発売された「大閃光」は年間300万本以上を売り上げる大ヒットに。大規模なコンサートがある場合は、近隣店舗だけでなく、量販店や会社の倉庫からすらもなくなることがあるという。
また、色の研究も続いている。中にはイメージカラーが黒というアイドル・キャラクターが居ることに関して、
「黒の光はご要望が多いんですが、そもそも黒という色は光っていないので、中々難しいですね......」
と語った。中には本体を黒く塗りつぶして表現する人も居るという。ネットでは、青や紫を使うという意見も多く、企業・使用者ともにチャレンジが続けられている。ちなみにブラックライトは紫外線を使用しており、色としてはどちらかというと紫に近い。
多彩な色が求められた結果、シンプルな色から微妙な色までカバーできるようになり、最新の「ルミエース2オメガ」では24色を表現することが可能になった。
これからも、ペンライトはケミカル、LED問わず、コンサート会場で振られていくだろう。