新座火災、現場は今...あの「かつや」の様子も見てきました
東京都内で起きた大規模停電は、埼玉県新座市にある東電設備での発火が原因だった。火災現場は、夕方のテレビ番組で生中継され、多くの人が黒煙立ちのぼる様子を画面越しに見たことだろう。
そんな事故現場に翌2016年10月13日、Jタウンネット記者が訪れた。新座駅から国道254号線(川越街道)を東に10分ほど歩くと、中継でよく映りこんでいた看板が見えてきた。「かつや」だ――。
残念ながら営業してなかった
テレビ中継の視聴者には、大きな「かつや」の看板が気になった人も多いだろう。かつや新座野火止店。事故現場の東側に位置する、とんかつチェーン店だ。ツイッターでは、
「隣のかつやの看板の存在感半端ない」
「黒煙よりかつやが気になる」
「今夜はトンカツにしよ」
などと、時折映りこむ「かつや」の看板に目を奪われた人々が反応していた。
記者が現場に着いたのは15時ごろ。マスコミでも現場には近づけないのか、車線を挟んだ反対側の歩道に人だかりがあった。その数、およそ10人。沿道にはTBSの脚立が置かれ、NHK記者の姿もある。
公式サイトによると、かつやは本日休業らしいが、看板はライトアップされている。道路側のカーテンは閉ざされていたが、隙間からは明かりが見えていた。店の周りには、ぐるりと「チキンカツとから揚げの合い盛り丼」のノボリ。うまそうだ。
対向車線からでは、よく中の様子はわからなかったが、入口付近で窓ふきをする男性が見えた。
現場西側にあるタイヤ販売店「ホイールズ埼玉新座店」。こちらも明かりはついているが、「近隣の変電施設火災の影響」(公式サイトより)で臨時休業している。路肩の看板は黒く変色し、文字も読み取りにくい状態に。火柱の爪痕を知る、数少ない証拠となっていた。
火災現場は「野火止」地区
火災現場の地名が、偶然にも「野火止」であることも、一部で注目されている。記者は東京都出身だが、この地名は知っていた。小学校のころに「野火止用水」なる用水路を習ったからだ。
玉川上水から分水された野火止用水は、この野火止を通って、埼玉の新河岸川へ流れる。玉川上水を掘った「玉川兄弟」の偉業とともに、当時(たしか)小学4年生だった記者の脳裏に、野火止の名は刻み込まれていた。なお10数年間、ずっと「のびどめ」だと思っていたが、新座市の地名としては「のびとめ」らしい。
最後に、新座市在住の「かつや」ファンに、有意義な情報を。新座駅の隣、JR北朝霞駅(東武は朝霞台駅)の前にある埼玉朝霞台店は、ちゃーんとやっていた(13日15時30分現在)ので、こちらでカツ丼をほおばっていただきたい。おいしい割干大根の漬物が、壺の中であなたを待っているはずだ。