ポケモンGO歓迎の「鳥取砂丘」と、禁止の「出雲大社」...対照的な2つの観光地を歩く
「歓迎 ポケモントレーナー御一行様」

翌日の8月3日、今度は鳥取砂丘(鳥取県鳥取市)にやってきた。鳥取県は、平井伸治知事みずから「ポケモンGO」をプレーし、砂丘を「スナホ・ゲーム解放区」にすると宣言。町おこしの一環として、大歓迎しているのだ。

砂丘で一番目立つ「馬の背」に向かって歩くと、左前方に大量のポケストップが見えてきた。これらは100メートルごとに、マス目状に設置された「調査くい」に設定されていて、県の特設サイト「とっとりGO」によると、なんと100か所以上あるそうだ。

「馬の背」の頂点に立つと、小学生の楽しそうな声が聞こえた。
「あっ、オムナイトがいた!」
はしゃぐ小学生に、父親は「おいしそうだな」と一言。オムライスを連想しているようだ。スマホをのぞき込んだ母親は、「イカとカタツムリを混ぜたような形ね」。ふたりともポケモン世代ではないのだろう。

「馬の背」を降りる途中で、ヒトデマンを見つけた。いわゆる「巣」になっているわけではなさそうだが、砂丘にヒトデとは、なんともムードがある。ちなみにヒトデマンの横に立っているのは、筆者の母親だ。

平日の正午すぎとあって、思ったよりスマホ片手の観光客は少なかった。やはり暑い時間帯には、ゲットする気も起きないのか。汗を流しながら、近くのドライブイン「砂丘会館」まで戻ると、名だたる旅行代理店にまじって、「歓迎 ポケモントレーナー御一行様」の文字があった。

「禁止」と「歓迎」、その理由は表裏一体だ。出雲大社が禁止した理由は、人同士がぶつかるなどの事故を防止するため。一方の鳥取砂丘は、安全にプレイできる広大さを利用した。一概に「どっちが正解か」は決められない。