宮城でしか使わない言葉「ジャス(ジャージ)」、その誕生の謎
[OH!バンデス - ミヤギテレビ] 2016年7月15放送の「なんでやねん!?宮城解体新書」のコーナーで、宮城弁の代表格ともいえる、ある言葉について紹介していました。
体育着をなぜ「ジャス」と言うのか?
宮城県名取市にある洋品店「ファッションわたなべ」では、電光看板に「〇〇中ジャス」という文字が、約30年前から当たり前のように流れ続けています。
この「ジャス」という言葉、標準語ではなさそうです。実はこれ、宮城弁で「体育着(=ジャージ)」のことなんです。
県民の30代から50代を中心に、子どもの頃「ジャス」という言葉が使われ、「学校のお便りに"ジャス持参"と書かれていた(40代)」「あずき色のジャスは"アズジャス"と呼んでいた(50代)」のだとか。
しかし現在では「"体育着"としか言わない(現役小学生)」「聞いたことはあるが"ジャズ"の間違いかと思った(20代)」と、若い世代には「ジャス」が何のことかわからない人も多く、時代とともに認知度が薄まっていったようです。
「ジャス」の由来に諸説あり
ではなぜ、体育のジャージに「ス」を付けて呼ばれていたのでしょうか。
学校方言に詳しい仙台高専の武田教授によると、その由来には諸説あるそうで「(上下セットになっている)"ジャージー・スーツ"の短縮形」「ジャージーが訛った」「ジャージーの複数形」の、3つの理由が考えられるそうです。また、宮城限定で「ジャス」である理由は不明とのことでした。
社会人になってから他県に出て、知らずに「ジャス」と言ってしまい、ツッコまれて恥ずかしい思いをした人も多いのだとか。時代とともに変遷してきた「ジャス」は、今となっては県民に懐かしさを蘇らせる言葉なのかもしれませんね。(ライター:M.)