コアラのマーチの「マーチ」ってそういえば何? ロッテ本社に行って直接聞いてみた【前編】
始まりは、「コアラのマーチって、なんでマーチなんだろう?」という、ある日の会議で飛び出した言葉だった。それをきっかけに、会議そっちのけでコアラのマーチについて考え込むJタウンネット編集部。
そもそもなぜコアラなのか、昔はやった幸運を呼ぶまゆ毛コアラの噂はなんだったのかなど、なんとなく知っているようでいて、実は謎が多いお菓子なのではないだろうか?
「どうせなら、一番詳しい人に直接聞いてみよう」
ということで、さっそくコンタクトを取ったのは――そう、コアラのマーチの発売元・ロッテ本社である。
マーチが付いているのは...コアラのある習性が理由
ロッテ本社の最寄り駅は初台駅で、編集部のある麹町から電車で20分ほどだ。そこから更に数分ほど歩くと、本社ビルに到着する。エントランスには、様々なお菓子のパッケージや千葉ロッテマリーンズのグッズが並べられたガラスケースが置いてある。
取材に応じてくれたのは、村尾雄一さん。コアラのマーチへの愛にあふれた、商品の担当者だ。
コアラのマーチの誕生は、1984年まで遡る。その年の10月にオーストラリアから初めてコアラが日本に上陸することになり、それにちなんで作られたという。
「コアラのお菓子を作ろう、となったんですが、コアラは木の上で1日の殆どを寝て過ごす動物です。お菓子は明るい世界観を作っていくという役割があるので、コアラにもっと楽しさを付加できないかと考えました。そこで、コアラがマーチングバンドを組んで日本にやってくるという楽しいイメージで、コアラのマーチが出来ました」
発売当初のコアラの絵柄は全12種で、そのうちの半分は楽器を持っている。そう、マーチは「マーチングバンド」のことだったのだ。現在は数多くの種類のコアラがいるため、マーチングバンドのイメージというのは、意外な答えだった。ちなみに、現在のコアラのデザインは366種類あるという。
「2015年までは、毎年10~20種類ほど新たなデザインを追加していて最大500種類にまで増えました」
ちなみに、自身がモータースポーツが好きということもあり、2015年にホンダがF1に復帰するというタイミングで追加した「レーサーコアラ」がお気に入りだという。
ただ、「目当ての絵柄となかなか出会えない」という声が寄せられるようになったため、2015年に総選挙を実施。1年の日数に合わせて365種類を選抜し、他のコアラには「オーストラリアの森に帰ってもらった」らしい。
更に、2016年はうるう年ということもあり、残りの1種類を公募したところ、2000点以上もの募集が集まったという。その中から選ばれたのが「宇宙人コアラ」だ。
「2015年の公募では、2000点以上の応募があり、その中から手作業で選びました。元の絵柄のゆるさ、可愛さ、そして独創性がポイントとなり、コアラのマーチに仲間入りをしました」
また、海外版のコアラのマーチには限定の絵柄がある。例えば、タイには77の県にちなんで、タイで公募された77種類のオリジナルコアラが居るという。そういったコアラまで含めると、歴代の絵柄は、
「600種類以上になると思います」
とのこと。
最近も、初のコラボによって新たなコアラが誕生した。その裏側とは――?
→後編へ続く。