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Jタウン編集部「舛添ネタやるぞ~!昔のサイン本注文だ!」→届く前に辞職しちゃった...

城戸 譲

城戸 譲

2016.06.17 11:00
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舛添要一氏が東京都知事辞任を決めた。Jタウンネットは先日、舛添氏を題材にしたゲームソフト「舛添要一 朝までファミコン」を紹介した。カセット捜索記から、クリアに至るまでの様子は、地上波テレビ局も巻き込んで、大きな話題を呼んだ。

これが(たぶん)舛添要一氏のサインだ!
これが(たぶん)舛添要一氏のサインだ!

2匹目のどじょうを狙った編集部は、ほかにもネタがないかと、舛添氏の著作をチェック。どこかにツッコミどころがありそうだと、タイトルで選んだ『舛添要一の競馬改国論』(1995年、サンドケー出版局)のサイン本を入手したのだが――。

競馬誌連載をまとめた1冊

この書籍は、サンケイスポーツの競馬誌「週刊Gallop(ギャロップ)」での連載をまとめたもの。「朝まで生テレビ」で時代の寵児になっていた1993年10月~95年3月のコラムと、JRA理事や馬の生産者、オーナーらとの対談企画「舛添要一の朝まで生ケイバ」で構成されている。

「朝までファミコン」片手に皮算用する記者(一部モザイク)
「朝までファミコン」片手に皮算用する記者(一部モザイク)

記者は2016年6月13日、古本屋のインターネット通販で、この「競馬改国論」を発見した。価格は1000円、しかも「サイン本」。これを買っときゃ、間違いない! と反射的に注文すると、すぐさま「発送」の連絡がきた。

同日夜、舛添氏は都議会で「(選挙日程がリオ五輪にかぶるので)少しの猶予を頂きたい」と発言。記者は「まだまだネタの鮮度はあるな。イッシッシッシッ......」と、ほくそ笑んでいた。

ダメだったか...
ダメだったか...

しかし、翌日になっても本は届かない。発注先が北海道旭川市の古書店だったため、都内の記者宅まで日数がかかるのだ。かくして15日午前、舛添氏は辞職届を提出し、皮算用は泡と消えてしまった。肩を落として帰宅すると、例のブツが届いていた。明けて16日、新聞各紙の「辞任」に埋もれながら、敗北感に打ちひしがれるのであった。

「馬を持つようになって、品行方正になりました」

せっかくだから、内容を読み込んでみよう。本の主眼は、JRA(日本中央競馬会)の中央競馬と、各地にある地方競馬の今後について。両者の統合は容易ではないため、ひとまず地域の独自性を出して、ファンを獲得するのが先決だというのが氏の論旨だ。

版元は「サンドケー出版局」
版元は「サンドケー出版局」

「トゥインクルレース」(大井競馬場)のようなナイター開催や、女性ジョッキー活用などの地方競馬振興策を提案する一方、ファンのマナー低下に警鐘を鳴らしたり、サッカーのトトカルチョ(現在のtoto)導入に危機感を示すなど、馬主でもある舛添氏ならではの視点で論評している。

書籍の3割が「第7章」
書籍の3割が「第7章」

しかし、あいにく記者は、競馬門外漢。登場人物や競走馬などはピンとこない。専門知識がなくても理解できたのは、「生ケイバ」のやりとりで、

「ぼくは商売柄からか、ナショナリズムがあまりなくて(笑い)、外国の馬が来ると一所懸命外国馬の馬券を買うんです」

と、国際政治学者(当時)ならではのジョークを飛ばしたり、

「馬を持つようになって、品行方正になりました。本当にお金がかかるんですよ」

と、金銭面での苦労を語った程度。どうやら、興味本位で購入する本ではなかったようだ。

「厚顔無恥な男でないと...」

そんな記者でも楽しめたのが「あとがき」だ。ここでは連載開始にあたって、ギャロップ初代編集長のS氏(原文では本名)から、「朝まで生テレビ」のような過激さで競馬界を切ってくれと頼まれた、と振り返っている。

「私のような厚顔無恥な男でないと、伏魔殿のような競馬界に切り込んで行くことはできないと言うのだ。何と言っても旧友の命令、断るわけにはいかない。しかし実際に毎週毎週筆を執って、日本の競馬界にメスを入れてみると、これは実に大変な仕事であることがわかった」
「私のような厚顔無恥な男」と書いてある(一部、編集部モザイク)
「私のような厚顔無恥な男」と書いてある(一部、編集部モザイク)

それから約20年後、この「旧友」は、舛添氏との交遊関係で話題となる。舛添氏がホテルで会合した「元新聞記者の出版社社長」なのでは、とウワサされたのだ。しかしS氏は2015年11月に死去。都知事辞任で舛添氏への追及が終息した今となっては、すべては闇の中になってしまった。

サイン本にもかかわらず、注文カードが刺さっていた
サイン本にもかかわらず、注文カードが刺さっていた

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