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四ツ谷駅前で巨大再開発...あの「純粋階段」跡地も完全に消える

城戸 譲

城戸 譲

2016.06.05 11:00
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閉店、移転...仮設店舗での営業も

では、退去したビルテナントは、どうなったのだろう。チェーンの店舗は完全閉店した所が多い。ひと足早く、サブウェイ四ツ谷店が15年10月末に閉店。ドトール、カプリチョーザ、セブン‐イレブン、日高屋、そしてコージーコーナーと閉店が続いた。

日高屋跡地(16年2月撮影)
日高屋跡地(16年2月撮影)

とある和食店には「手書き」の閉店告知が(16年2月撮影)
とある和食店には「手書き」の閉店告知が(16年2月撮影)

セブン‐イレブンとドトールの辺りには、かつて「祥平館」という旅館が存在した。ときは1972年。作家の故・赤瀬川原平さんらが、この裏手を通った時に、どこにも通じていない、ただ「上って下りるだけ」の階段を見つけた。これを面白がって、「純粋階段(四谷階段)」と名付け、街中にある無用な長物を「超芸術トマソン」と呼ぶキッカケとなった。

セブンの入っていた祥平館ビル(14年10月撮影)
セブンの入っていた祥平館ビル(14年10月撮影)

Jタウンネットは2014年10月、赤瀬川さんの訃報を受けて、この「純粋階段」探しを行った。外堀通りの拡張により、旅館は移転・建て替え。跡地には1975年、ビルが建設された。このビルも再開発のため、すでに姿を消している。

となりにはドトールがあった(14年10月撮影)
となりにはドトールがあった(14年10月撮影)

一方で、この地に「残る」店舗もある。「地域の広場」予定地に設けられた、仮設店舗で営業するのだ。四谷駅前郵便局と、山の店デナリ(登山用品店)、典礼センターピエタ(師イエズス修道女会)、清水医院、平野法律事務所、日米会話学院が、こちらに移転してきた。

プレハブの仮設店舗(16年2月撮影)
プレハブの仮設店舗(16年2月撮影)

ガラス張りでオシャレな「桜美林大学四谷キャンパス」も姿を消した。これは08年に開設されたばかりの施設。再開発事業によって、わずか8年で短い生涯を終えることとなった。キャンパスは千駄ヶ谷へ仮移転、いずれ新大久保へと移る予定だ。この建物には「日米会話学院」も併設されていたが、前述のとおり数十メートル離れた仮設施設に移転。19年10月に再開発ビルの「教育棟」に入居予定だ。

すでに多くのビル跡地が更地に(16年6月撮影)
すでに多くのビル跡地が更地に(16年6月撮影)

このほか、個人経営の店舗も、いくつか閉店した。また、新宿御苑そばへ移転した「平山胃腸クリニック」や、池袋へ移転予定のライブハウス「四谷mono」のように、新天地で営業を続けるところも多々ある。

完成は3年後。オリンピックを前にして、東京の新ランドマークのひとつになるのは間違いないだろう。

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