富山市立図書館が、CDやDVDの貸し出しをストップする理由を聞いてみた
「公共の図書館としての一定の使命は果たした」
電話に出てくれたのは、読書推進係の担当者だ。
「今まで行っていた視聴覚資料貸出のサービスは5月末日で終了し、6月1日からは館内で視聴していただくことになります」とのこと。その理由について尋ねてみると、こう答えてくれた。
「まずCDやDVDの管理のためには、ICタグのシール貼付が必要だったのですが、シールが劣化すると、家庭の再生機器から取り出せなくなるといったトラブルがありました。再生機内でシールが粘着するおそれもあります」と担当者は説明してくれた。「CDやDVDが破損して、聴けなくなるという苦情もありました」とのこと。
もう一つの理由は、インターネット環境の変化だという。「ネットをとおして受けられる比較的安価なサービスが整ってきたことが挙げられます。とくに若い層にそういったサービスを利用する人が増えてきたようです」と担当者。CD・DVDの貸出数も減少の傾向にあるとのこと。「公共の図書館としての一定の使命は果たしたと考えています」。
また「図書館での貸出サービスが民業圧迫になる懸念もあります」という話もあったので、「具体的に民間からそういった話があったのですか?」と聞いてみたが、「いえ、そういった話はとくに聞いておりません」とのこと。大手業者からの要望があったわけではないらしい。
なお館内視聴ができる場所、利用案内については、同図書館公式ページをご参照のこと。