奥さまたちが、エアガンでサル対策! 異色勉強会、その背景を伊勢原市役所に聞いた
本物の銃そっくりのエアガン
電話で話してくれたのは、同市経済環境部農業振興課の山口友理さんだ。
勉強会は1日13時から、日向地区の集会所で開かれた。参加者は、地元農家の主婦ら16人。まずは野生動物の生態などについて、室内で講義が行われた。講師は、千葉科学大学動物危機管理学科の加瀬ちひろ助教をはじめ、全員女性が務めた。「内容は、あくまでもビギナー向けです」と山口さん。
「2時間ほどの座学の後、屋外で実習を受けていただきました」と山口さんは語る。「まずエアガンの体験です」。エアガンはプラスチック製のBB弾を使用する遊戯銃。殺傷力はないが、外見は本物の銃にそっくりだ。「追い払いが目的なので、実際に当たらなくてもいい、弾がすぐそばを通るだけで、威嚇には充分です」。山口さん自身も何度か試してみたというが、「威嚇射撃を何度か繰り返すうちに、サルの方も学習して、果樹園に近寄らなくなります」とのこと。
エアガンの次に、パチンコも体験してもらった。このパチンコ、実はアメリカ製だ。「小さな石ころを飛ばす単純な仕掛けですが、威力は充分で、撃退効果は大きいようです」と、山口さん。エアガンほど重くないし、手軽に扱えるので、参加者には好評だったという。他に、ロケット花火の実習も行った。
「女性のための鳥獣対策」は、追い払いが目的で、獲物を仕留めるのが目的の狩猟ではない。「サルものは追わず」がポイントだった。