2019年のコミケ会場? 五輪開催中のビッグサイト「代替施設」予定地に行ってみた
バブル期の東京都知事、鈴木俊一氏は、臨海部開発とセットにした一大イベント「世界都市博覧会」を企画した。しかしバブルは崩壊。続く知事選では、「都市博中止」を公約に掲げた人気タレント・青島幸男氏が、鈴木知事の後継候補を破り、開催中止が決定された。
それから早20年。臨海副都心の開発は進んだが、ところどころに「空き地」は残ったまま。そんな一角にまもなく、新たな使命が与えられるという。東京五輪にあわせた「東京ビッグサイト」の代替施設だ。Jタウンネット記者は、現場へ向かった。
だだっ広い「駐車場」だった
五輪の「プレスセンター」となるビッグサイト。五輪の準備期間には、従来の展示設備が利用できなくなる。その空白期間を埋めるべく、2019年4月~20年3月までの1年間使われるのが、今回話題になっている代替施設だ。
検討されている場所は、りんかい線・東京テレポート駅東側の都有地(約3万7000平方メートル)。現在は臨時駐車場として使われている土地を活用し、約2万4000平方メートルの展示面積を持つ仮設施設を置く、と報じられている。
報道と地図を照らし合わせると、どうやら予定地は「青海(あおみ)東臨時駐車場」のようだ。休日には1日1500円上限で、普通車を駐車できるとあって、お台場観光に重宝がられている。記者が訪れたのは平日だったので、普通車は停車不可。東側の一角にバス数台が並んでいるだけだった。
この予定地、駅前とあって、交通の便は良い。しかしビッグサイトからは、約1.5キロ離れているため、連携させるには多少難がありそうだ。また、東京テレポート駅はフジテレビ本社の最寄りでもあり、イベントが開催される繁忙期などは、人がごった返す可能性もある。
ビッグサイト自体も増築
仮設施設に加え、ビッグサイトそのものを拡張する計画もある。「西展示場」の南側、屋外展示場のスペースに拡張棟が設置されるのだ。こちらも予定地へ行ってみたが、塀に覆われていて、よく中は見えなかった。なお報道によると、こちらは2019年6月の完成予定だという。
また、東展示棟のさらに東側にある、駐車場跡地には「東側仮設展示場」が建設中だ。こちらは15年11月に着工され、16年10月完成予定。地上2階建てで、展示面積は約1万6000平方メートルになる。
正直な感想だが、東京に土地勘のある記者ですら、展示場をめぐる一連のニュースはわかりにくい。多くの業界が見本市を行うビッグサイト。各国から商談に来る人々も巻き込んで、混乱が起きないか心配だ。
なお、仮設施設が使われる予定なのは、五輪前の1年間のみ。開催期間中については、まだ不明な点が多々あり、オリンピックのある20年夏のコミックマーケット(コミケ)などの処遇は、いまだわからないままだ。