あなたは「元少年A」から逃げ切れるか!? 週刊文春を再現して「1キロ」追いかけっこしてみた
気が付けば背後に聞こえる相手の息遣い
さて、では両者5メートルほど離れ――よーい、ドン。アラサー編集者2人組が、千代田区の住宅街を必死の形相で走り始める。
最初は、割合に余裕があった。真剣に走るのは久しぶりだったが、思ったより体が動く。最近自転車でお出かけとかしているからだな。日ごろ「ネットメディアの記者は外に出ない」だのなんだの言われるが、これなら、自分でも元少年Aを振り切れるかもしれない。
――と思ったのも、つかの間だった。
「はっ、はっ......!」
「元少年A」ことKくんとは結構距離を離して走っていたつもりだったのだが、気が付けばその呼吸が、はっきりと聞こえるところまで詰められている。ちょっと加速して引き離そうとしたが、陸上用のトラックならまだしも、ここは普通の歩道だ。人をかき分けて走るにしても、限度がある。
そう、これは文春記者の場合も同じだっただろうが、逃走劇の舞台は市街地である。通行人はいる。車も走る。信号もある。ちょっとでも引っかかれば、たちまち「つーかまえた......!」なのだ。セーフティーリードを保つのは、多少体力に自信があっても簡単ではない。