【豆知識】130年前の「1円札」、今も普通に買い物に使えた! ただし市場価格は×万円
「お札って、いくらから使える?」。多くの人が、迷うことなく「1000円以上でしょ?」と答えるだろう。しかし正解は「1円から」。現在発行されていない紙幣にも、まだ利用できるものがあるのだ。
最近では、福岡県のカイロプラクティック(整体)で、治療に訪れた女性が「100円札」の札束で支払ったとのニュースが話題になった。女性が使ったのは、板垣退助が描かれたもの。では、どんな紙幣が今でも使えるのだろうか。
いまも使える「昔のお札」は?
日本銀行公式サイトの「現在有効な銀行券」(2014年5月現在)によると、1000円以下で現在も使える紙幣は11種。1円札は大黒像と武内宿禰、二宮尊徳が描かれた4パターン、5円札、10円札、50円札は各1パターンずつ、100円札は聖徳太子と板垣退助の2パターン、そして岩倉具視の500円札だ。
現在も使える紙幣は、ほぼ戦後に生まれたものだ。しかし1円券については1885年発行開始のものも使える。1885年といえば、内閣制度が生まれて、伊藤博文が初代首相になった年。そんな歴史あるお金で買い物できるなんて、ちょっぴりロマンがある。
これらの旧札は、額面通りに使うことができる。それでは、入手するには、いくらくらい必要なのだろう。古銭商のサイトを見比べてみた。最古の「大黒像」1円札は、安いものでも3万円、未使用なら30万円。オークションサイトでは、安くて7000円程度から入手できるようだ。
硬貨は「戦後発行」のみ使える
では、硬貨はどうか。こちらは残念ながら、現在でも使えるのは戦後発行のものばかりだ。ただし、大正時代の硬貨が「自販機から出てきた」という報告はある。2015年10月3日には、こんなツイートが話題になった。
あ...ありのまま今起こった事を話すぜ!
俺は自販機でジュースを買った......そしたら釣り銭が10円玉だと思ったら大正11年製の1銭玉だったんだ.....
何を言っているのかわからねーと思うが...... pic.twitter.com/PzvIGCiKeE
— がんばれ酒井君1号 (@Civic_Integra) 2015, 10月 3
大正から戦前まで流通していた「1銭青銅貨幣」。現行の10円硬貨とサイズがほぼ同じ(直径23ミリ程度)ことから、自販機の中に紛れ込んでしまったようだ。なお、この1銭硬貨は、1枚1000~2000円程度で流通している。話のタネに1枚持っておくのもよさそうだ。