関西人のいう「シュッとした」、意味が色々ありすぎ! と全国の人が戸惑っているので、共通語に訳してみた
「君はシュッとした体形しとるし、顔立ちもシュッとした感じやから、たぶんシュッとした格好の方が似合いそうやなあ」
なんだか混乱してしまいそうな上の台詞、あなたはスラスラと理解できただろうか。実は、上に挙げた3つの「シュッとした」、それぞれの意味は微妙に異なるらしいのだ。順に説明すると、それぞれ「細身」・「ハンサム」・「スタイリッシュ」に近いニュアンスとなるらしい。
「細身で~」という意味の「シュッとした」は、全国でもよく使われているはず。しかし、「ハンサム」や「スタイリッシュ」といわれてもどうもピンとこない、そんな読者も多いのではないだろうか。
実はこの「シュッとした」という表現は、「全国大阪弁普及協会」によればもともと大阪弁なのだという。そのため、関西ではシチュエーションに合わせて幅広い意味で使われる、非常に便利な言葉なのだそうだ。
この「シュッとした」、共通語でなんて言う?
関西人が用いる「シュッとした」という表現。もともとは、「先が締まっていて、細く無駄のない形」を指す擬音語だったそうだ。その対象が、顔やデザインなどに広がるにつれ、細かいニュアンスが枝分かれしていったのだと推測できる。
では、それぞれの意味について実例とともに詳しく見ていこう。
まずは、比較的メジャーだと思われる「細身」という意味から。
こう、シュッとした体型になりたいものだなぁ
— そう (@take_go_ran) 2015, 10月 26
芋くさくないシュッとしたラインのコート欲しいすなぁ
— 白亜卯蘭(シロアウラン) (@x_hageyarou_x) 2015, 11月 13
そのズボンの方がシュッとしててかっこええで
— のーちゃ (@nonomiya0516) 2015, 11月 12
人やモノの形に対して使われると、そのまま「細身(かつ、スタイルのいい)」という意味を持つ。しかし、対象が服やズボンなどの服飾品になると、「身体にフィットした」という意味が付加されるようだ。後者を共通語に直すならば、「ピタッとした」が近いように思える。
続いて、「ハンサム」という意味。
にいちゃんシュッとしててかっこええな~
— 主婦きち@調整中 (@0_katze) 2015, 11月 12
この口元だけだとおめめぱっちりの可愛い系かシュッとしたイケカワ系かわかりかねるな...!
— 森山ちさと♂ (@usatovich) 2015, 11月 13
上に挙げた使用例をみてみると、どうやら男前のなかでも「薄めの顔」を指す言葉のように思える。感覚としては、それに「シンプル」や「細い」といったニュアンスを混ぜたものが、正しい意味に近いようだ。つまり、無理やり共通語にするとすれば、「しょうゆ顔で肉付き少ない細めのイケメン」が近いのではないか。
最後に、「スタイリッシュ」という意味。
打ち合わせで「シュッとした感じの」て言ってポカンとされたので「スタイリッシュな」と言い換えたことはある。
— ツジムラ (@2jmr) 2015, 11月 12
もっとシュッとした絵柄になりたいとずっと思ってるんだけど絵柄ってやっぱり模写した回数が多い作家さんに影響されるのかな。一番模写したのは高河ゆん先生だけど面影ある......??
— のみ (@_nmkz_) 2015, 11月 12
これは、「モッサリした」「垢ぬけない」の対義語として考えると分かりやすいかもしれない。引用したツイートにある「スタイリッシュ」や、「スマートでお洒落なデザイン」で代用できるだろう。
それでは最後に、一番初めにあげた「君はシュッとした体形しとるし、顔立ちもシュッとした感じやから、たぶんシュッとした格好の方が似合いそうやなあ」という台詞を、上でまとめた共通語を使って表現してみたい。
「君は細身でスタイルもいいし、顔立ちもしょうゆ顔で肉付き少ない細めのイケメンな感じだから、たぶんスマートでお洒落なデザインな格好の方が似合うよ」
うーん......。こう見ると、確かに関西人のいう「シュッとした」はとても便利な言葉のようだ。