ついに3000万円突破! 名刀「蛍丸」復元クラウドファンディングに寄付殺到...「俺が、俺たちが蛍丸の蛍だ!」
刀剣を擬人化したキャラクターが登場するブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」が大ヒットしている。全国各地の美術館・博物館では、ゲーム・キャラクターのモチーフとなった刀剣の展示も行われており、従来の刀剣や美術の愛好家に加えて、ゲームのファンがどっと押しかける「聖地巡礼」現象が起きているという。
そんな中、大太刀「蛍丸国俊」を復元するプロジェクトが、2015年11月1日、クラウドフファンディングサイト「FAAVO」で公開され、わずか数時間で目標金額550万円を達成、6日現在、約6倍の約3300万円に到達し、大きな注目を集めている。
大太刀「蛍丸」とは?それを復元するプロジェクトとは、いったい何?出資者が続々と現れるって、どういうことなんだ?
蛍が集まり蘇った名刀とは......
「蛍丸」とは、1336年(建武3年)多々良浜の戦いで、阿蘇惟澄が使用したとされる、刀身が約100センチという大太刀だ。敗色濃厚な苦戦の中で、ボロボロに刃こぼれしたが、無数の蛍が刀に集まり、光に包まれるという夢を見た翌朝、刃こぼれのない美しい姿に戻ったという伝説を持つ。
以後、熊本県・阿蘇神社に奉納されていたが、太平洋戦争後の混乱で行方が分からなくなってしまった。今回のプロジェクトは、その名刀として名高い「大太刀 蛍丸」の写しを、岐阜県関市周辺の職人たちの手で制作し、阿蘇神社へ奉納しようというものだ。
上述の「刀剣乱舞」では、蛍丸は少年の姿で擬人化されて登場しており、人気キャラになっている。それも手伝ってか、このプロジェクトは開始当初から大きな注目を集めた。90日間で550万円の支援を目指し、11月1日正午にスタートしたが、17時には目標額を達成した。その後、支援者は増す一方である。
ツイッターには次のような声が寄せられている。
もう目いっぱい金額は集まってるけど5000円の寄付で蛍丸復元のための蛍になれてTシャツもらえるんならちょっと寄付してもいいかなって思う
特に蛍丸にはゲームでお世話になってるしな...
— やま (@yama2dime) 2015, 11月 2
蛍丸さんのやつも微力ながら協力させていただきました...今も玉集めで部隊長頑張ってくれてる蛍ちゃんのアレコレを見てうるうるしてて、その中で突如流れてきた >>お前が蛍になるんだよ!<< の一言で泣き笑いしながら支援してきた...俺が、俺たちが蛍丸の蛍だ!ってことなんですよね光栄です...
— 塩葛餅@くくりつるS32 (@kzmch_tr823) 2015, 11月 2
「蛍丸復元のための蛍になれる」「俺たちが蛍丸の蛍だ!」という熱い言葉が飛び交っている。
支援者にはメンバーズカードを......
そこで、このプロジェクトの発起人の一人である福留房幸さんに、電話で話を聞いてみた。
「本当にありがたいことだと思っております。昨年あたりから、刀剣関係の書籍も売れるようになったと聞きますが、やはりゲームの影響が大きいのでしょうね」と福留さん。関市にある「関鍛冶伝承館」への来場者も増えているという。
刀身制作が始まるのは、2016年2月からの予定。今回のクラウドファウンディングが目標額を大きく超えたことで、プロジェクトに参加してくれる刀鍛冶の人数を少し増やせるかもしれないとのこと。
また、支援者全員へのメンバーズカードの発行など、今後の対応についても告知が行われたが、詳細は未定だ。「鍛錬の様子を公開する見学会の告知など、メンバーには優先的にお知らせできるようにしたい」と福留さんは語った。