「こうじまち」は「麴町」なのか「麹町」なのか? 駅名表示の謎を追う
営団地下鉄時代の名残りだった!?
さらに数時間後、別の広報担当者から編集部に連絡が入った。
「まず、東京メトロとしては『麴町駅(旧字体)』があくまで正式名称です。ただ、Jタウンネットさんが『発見』していただいたとおり(苦笑)、駅内では2種類の表記が存在しています」
その理由としては、2種類あるという。
まずは「駅」ではなく、「地名」としての「こうじまち」を表記する場合。これらについては使用実態に即して、新字体の「麹町」を使っているケースがあるという。上記の写真でいうと、「麹町方面改札」の看板や、一部の案内表示などがそれに該当するようだ。
「もう1つ、駅名看板に使っているものですが......。これは営団地下鉄時代(~2004年)に設置されたものなんです。別に間違いというわけではないので、設備の更新に合わせて順次差し替えを行っているところです」
なるほど。確かに、旧字体と新字体の使い分けを見ると、比較的新しそうな看板や、メトロのロゴが入る路線図などの場合は、いずれも「麴町駅(旧字体)」となっている。
新字体の「麹町駅」は、旧営団時代の名残りだったわけである(ややこしい)。
ということで、一件落着と言いたいところなのだが――。少し歩いたところにある半蔵門駅で、ちょっと気になるものを見つけた。
上記のとおり、比較的最近に作られたと見られる周辺地図などでは、地名であっても「麴町(旧字体)」に表記が統一されているのだが......。この駅の周辺地図では、駅名こそ「麴町駅(旧字体)」なのだが、地名の表記がところどころ「麹町(新字体)」なのである。
地名としての「こうじまち」なので、別にいいといえばいいのだが......。ああ、ややこしい。
では、駅以外での表記は?事態が思わぬ方向に発展する第2弾はこちら。