「ご飯が牛乳に合わない」? そんなわけないだろ!と断固主張する
米どころとして有名な新潟県三条市が、給食の献立から牛乳を外すことを決めたという。いろいろ議論はあるらしいが、筆者には1つ不満がある。それは、
「ご飯は牛乳に合わないから」
という三条市が挙げた理由について、誰もツッコまないことだ。
筆者は子どものころ、牛乳大好きっ子だった。給食の牛乳が余るようなことがあれば、真っ先に争奪戦に参加したものだ。当時、牛乳とご飯が合わないなんて、考えたこともなかった。
「ご飯は牛乳に合わない」という前提条件をなんとか論破したい。というわけで――。
ご飯と牛乳を買ってきた。
思えば、一人暮らしを始めてからは牛乳を飲む機会もめっきり減った。ご飯と牛乳、という組み合わせも、結構久しぶりかもしれない。童心に帰りつつ、さっそく口に運んでみる。
......あれ? こ、こんなものだったっけ?
ご飯の甘さと、牛乳の甘さがぶつかり合ってしまい、なんか口の中がすっきりしない。もしかして、子どものころはバカ舌だったから気づいていなかっただけで、実はご飯って牛乳に合わないんじゃ......。
おかずの力を借りてみよう
い、いや、そんなことはないはずだ。
そうだ、給食のときは、白いご飯だけを食べていたわけではない。おかずも一緒だったではないか。ご飯+おかずに牛乳が合っていれば、それは広い意味での「ご飯」に牛乳が合うと言っていいはず。
そこで、周囲の編集部員にもリサーチして、「牛乳に合いそうなおかず」を考えた。その場で出た意見としては、
(1)和食系には絶対合わない
(2)脂っこいものや、マヨネーズ系の味とは合うのでは
(3)給食に出ていたメニューなら、合う確率が高いのでは
(4)口の中がパサつくようなものと相性がいいはず
といったところ。
これを参考に、近所のスーパーで6品のおかずを買ってきた。
エントリーナンバー1番「韓国のり」
というわけで、まずは「韓国のり」を選んだ。
テーマはパサつき。普通の味付けのりでもよかったのだが、韓国のりの方が、ごま油の風味がある分、牛乳との食べ合わせが良くなるのでは?と分析した。
さっそく、試してみる。韓国のりで巻いたご飯を口に運び、適当に咀嚼したところで牛乳で流し込む――。
あ、普通においしい。
予想通り、ごま油の適度なくどさと、ぱらっとした塩っ気が、牛乳でいい具合に中和されてくれる。ご飯単体と牛乳の組み合わせから、一気に「普通に食べられる味」にランクアップした。
エントリーナンバー2番「鮭ちりめん」
続く刺客、「鮭ちりめん」。パサパサ感に加え、鮭の塩味が、牛乳とマッチする可能性を感じさせる。
で、結果だが......。うえぇ、おいしくない。
牛乳の甘みと独特の香りが、普段ならあまり気にならないはずの魚臭さとぶつかり合ってしまい、ご飯単体よりもかえって悪化してしまった。和食系はダメ、とはわかっていたはずだったが......。
果たして、「ご飯+牛乳」の魅力を明らかにすることはできるのか。以下、後編に続く。