シラコバトをモチーフにした「コバトン」は、埼玉の公式マスコットとして10年以上活動を続ける、ご当地キャラ界のベテランだ。ぬいぐるみや缶バッジ、エコバッグなど関連グッズも多数発売されている。 食品の分野ではアメやふりかけ、草加せんべいなどがあるが、実はビールも売られている。2014年11月に販売を開始したコバトンビールは、埼玉県の麻原酒造が製造している。西武ライオンズのペットマークをラベルに用いた「ライオンズビール」も同社の製品だ。こちらは2013年3月に発売された。 コバトンビールとライオンズビール(編集部撮影) 外秩父の山々が迫る越生に蔵元が 東京・池袋から電車で約1時間、東武越生線の終点・越生駅。ここから車で5分ほどの場所に直営店舗がある。 越生駅。1933年の開業時に建設された駅舎が今も現役で使われている。 近くには町の入浴施設&キャンプ場「ゆうパークおごせ」や、出版関係者なら誰でも知っている雑誌専門図書館「大宅壮一文庫」の越生分館もある。 駅とゆうパークおごせを結ぶ無料送迎バスが走っているので、それを利用するのも手だ。 麻原酒造の越生ブリュワリー 現在は5代目が経営する麻原酒造。初代は滋賀の出身だ。明治時代、東京・青梅で修業を積み、越生の隣の毛呂山で開業した。 西武グループの創業家とルーツが一緒なのは偶然だろうが、同酒造がライオンズビールを手がけるのもうなづける。 広々としたブリュワリーの店舗内は麻原酒造の商品がずらり勢揃い。日本酒(ほとんどは純米吟醸酒)や本格焼酎、ワイン、リキュール、梅酒ワインと酒の種類は豊富で、数十種類もある。 ビールは左側に陳列されていて、冷えたビールは冷凍ケースに入っている。 コバトンビールとライオンズビールはどちらもピルスナー。その場で飲みたい気持ちをグッとこらえ、東京に持ち帰って飲むため、1本ずつ購入した。 繊細な仕上がりの「コバトン」 まずはコバトンビールから。 冷えたビール瓶を冷蔵庫から取り出して、栓抜きを使ってフタを開ける。 グラスに注がれたビールは、夕暮れ時の海原をほうふつとさせる、赤みを帯びた黄金色だ。爽やかなフルーツの香りが漂う。 味はおだやかな苦みがあり、すっきりだけどコクがある。原材料に2種類の麦芽を用いているそうだ。 時間が経つにつれて深みが感じられ、クラフトビール本来の味の奥行きにうならされた。これはコバトンビールに限った話ではないが、キンキンに冷やしすぎない方が美味しく飲める。 ホップの苦みが効いた「ライオンズ」 ライオンズビールは、先のコバトンビールよりも色が濃くて、香りも強い。開封時に少し泡がこぼれた。 ホップの苦みはしっかりきいているものの、軽めのボディだ。思いのほかクリーンな味わい。黒ビールが苦手という女性でもグイッと飲めそう。 同酒造の担当者によると、製品化にあたって次の点を心がけたという。 「普段の何気ない一杯に、いつもと違う美味しさを感じていただけるよう心掛けております。『コク・苦み・爽やかな余韻』味わいのバランスを大切にし、雑味のでない醸造管理に取り組んでいます」 惜しいことに、公式サイトに販売カートは設置されていない。電話・メール・FAXで注文に応じてくれる。 価格や取扱店は下記の通り。在庫を切らしている可能性もあるので、事前に確認した上で来店するのが賢明だ。 取扱い店の1つ「エスポアまるげん」。 埼玉の地酒も多数扱っている。 話を越生ブリュワリーに戻す。平日に限り工場見学を開催している。事前予約制。ゆうパークおごせから500メートルほどの距離なので、一緒に訪ねてみてはいかがだろう。 「弊社ブリュワリーにて、平日、ご予約いただきましたお客様の工場見学を行っております。製造者のエスコートで弊社のリキュール・ワイン・ビールを製造している工場内を案内させていただきます。工場見学後は、弊社併設の販売店試飲コーナーにて、日本酒・リキュール・ワインをご試飲いただけます(ビール・発泡酒のご試飲は基本的には行っておりません)」