10年で10万人増! 江東区の人口増加が止まらない
隅田川東岸の東京都江東区は埋立地が大部分を占める区だ。交通至便なことから、近年はタワーマンションの建設が相次いでいる。
転入増が続く同区は2015年6月12日、人口50万人を突破したと発表した。
これは県庁所在地の大分市や金沢市よりも多い数字で、東京23区内では8番目の規模だ。
区内は大きく深川・城東・南部の3地区に分けられる。
深川は江戸時代に開発された下町情緒が残る。城東は戦前に東京市に編入された地域で、大規模団地と工場が目立つ。
東京の中の未来都市、豊洲
人口増を牽引しているのが南部の豊洲地区だ。大正時代まで海だったこの土地で、1923年に発生した関東大震災のがれき処理で埋め立てられて誕生した。典型的な工業地帯だったが、住宅地や商業地、オフィス街へ転換が進む。NTTデータや日本ユニシスといった大企業の本社もある。
下の図は、2000年から2015年までの15年間、区の人口がどのように変化したかグラフ化したもの。いずれも1月1日時点の数字だ。
2000年は約4万2000人だった南部の人口が、2014年に10万人を突破している。日本橋や銀座に近く、それでいて公園や大型商業施設に恵まれていることが人気の理由だ。
明るい材料はほかにもある。
現在築地にある東京都中央卸売市場は、2016年11月に豊洲に移転することが決まっている。今のところ工事関係者以外誰もいない場所だが、数年後には大勢の人で賑わうことだろう(参照:降りるなキケン? 東京一「何もない駅」市場前駅に行ってみた)。
さらに東京オリンピックの競技施設のかなりの部分が区内に建設される。いくつかは郊外の施設に変更されるが、それでも江東が主要会場であることに変わりない。