新宿のあちこちに貼られているアヤしい「電波系ビラ」を追え
都市の街角には、何が何だかよくわからないものが大量に貼られている。
世界的にも有名な「BNE」ステッカーのような、ナンセンスなイラスト・サインからなるグラフィティ。あるいは、ちょっとアングラな感じのお店の宣伝。そしてもう1つ、注目したいのが――「個人の主張」系のビラ・ステッカーだ。
貼った当人はもちろん真剣なのだろうが、中には、真剣すぎて筆者のような凡人には理解できない高みに達しているモノも。今回Jタウン探検隊では、東京・新宿を舞台に、こうしたちょっとアヤしいビラを捜索した。
大化の改新=ISだった!?
まずは、新宿駅西口側で見かけた、こちらのビラ。
手書きで記されたもので、ラーメン店の脇、先に貼られた「BNE」を覆い隠すように貼り付けられている。
一応、内容を書き起こしておこう。
「因縁付けて 星条旗(美国)の林(ブッシュ)による蘇我蝦夷・入鹿殺害。(フセイン父・子殺害)
中大兄皇(ザルカウィ)と中臣鎌足(バクダディ)は藤原に京を置く。(ラッカに首都)
「租」で領民を苦しめた分を奴婢・安倍氏は敵に237億円(2億ドル)の庸をして(最善)(鎌足)の怒りを買う ナイトメアスタート」
大化の改新と最新の国際情勢を引っ掛けてご政道を批判しているらしい。その割に大化の改新には出てこない「星条旗の林」がのっけから登場したり、藤原京に遷都したのは中大兄皇子ではなく持統天皇の時代だったりとちょっとゆるいのが微笑ましい。
同一人物によるものと見られるビラは、西口エリアや歌舞伎町を中心に何パターンかがある。
原発反対なのはわかりますが
原発反対を訴えるステッカーも多い。デザインに凝ったものなどは、他のグラフィティと違和感なく馴染んでいる。
東海第2原発の写真に「110km far from HERE」とキャプションを入れたモノは、東口側方面でいくつか見かけた。これなどはかなり直截的な部類だろう。
「大ガード下」などで発見した「被曝路」は、道路標識をもじっている。主張はともかく、このあたりは賛否がわかれそうだ。
スタン反戦VS反戦ゾンビ
原発反対と来て、今度は「戦争反対」。
ウォーホルやミュシャなど、有名な絵画や写真に、「戦争反対」という文字が上から重ね貼りされたこのシリーズは、新宿駅周辺では幅広いエリアに貼られている。量では、今回取り上げたビラ・ステッカーの中では最も多いだろう。なお、上で取り上げた原発反対ビラの一部とは体裁が似ているので、製作者は同一人物かもしれない。
同じく「戦争反対」を訴えるものの中でも、ちょっと笑ってしまうのがこちら。
往年の名レスラー、スタン・ハンセンの写真に一言、「反戦」。そう、スタン反戦。ダジャレである。こちらの貼り主はそこそこいい年と思われる。
もう1つ、映画「ゾンビ」のスチルに「戦争やめろ。」のフレーズを付けたのが「ANTIFA from INFERNO(地獄からのアンチ・ファシズム)」。
新宿以外でも、都内の比較的広い地域で目撃証言がある。ゴールデン街では、「バットマン」のジョーカーをあしらったものも発見できた。
仕事を選ばないミクさん、某巨大宗教と戦わせられる
西口エリアの某歩道橋に設置されている標識の裏側には、大量のビラ・ステッカーが。ここまで紹介した「戦争反対」系のビラ2つも、しっかり貼られている。
ここで見つけたのが、「テレビや新聞でも報道しない凶悪テロ事件の極秘情報です!!」というビラ。初音ミクがにっこり微笑んでいる。
某宗教団体と政党による「集団ストーカー」を告発する内容だ。件の団体は国家転覆を目論む「反日テロ組織」であり、国内で起こった数々の重大事件に関わっているとか......。
同内容のビラは西新宿でもう1つ確認できたほか、市ヶ谷駅前でも発見した。なお市ヶ谷駅前には、ミクではなく綾波レイ、しかも英語で書かれたバリエーションもある。
改めて――都市の街角には、何が何だかよくわからないものが大量に貼られている。
街で見かけた「アヤしいビラ」写真、募集します
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