「牛丼なら吉野家派」はなんと全国の××%! 予想を超える圧倒的人気とその地域差は?
松屋は東京と埼玉で健闘
今度は都道府県別の傾向を見てみよう。
まずは人口上位の県から。「Jタウンネット読者得票率」と「店舗数」の2つを横棒グラフで比較できるようにした。
東京・神奈川・大阪の吉野家得票率はほとんど変わらないが、神奈川だけ「すき家」の得票率が27.5%とやや高い。
すき家1号店は、1982年に横浜市鶴見区生麦で開業した。生麦はキリンビール横浜工場などがある労働者の街だが、すき家は郊外やショッピングセンターに積極的に出店する。テーブル席を設けたり、トッピングやサイドメニューを組み合わせることができるようにしたり、牛丼屋のイメージを変えた。
もっとも、神奈川同様に若い子育て世帯の多い埼玉で「すき家」の人気は振るわない。代わりに松屋が健闘している。
牛丼だけでなく定食メニューが豊富な松屋は、1966年に練馬区江古田で開業した。創業者は熱烈な吉野家好き。その味を研究して、1968年に焼肉定食店に路線変更する。
江古田は西武池袋線の駅があり、日本大学芸術学部は目の前だ。学生の熱い支持のもと、東京や埼玉、そして全国に展開していった。
埼玉でもう一つ目立つのは、東京チカラめしの得票率が7.3%だったこと。1号店は2011年、池袋西口にオープンした。「煮る」ではなく「焼く」牛肉を用いた丼料理は、東京の牛丼シーンを席巻した。そのブームの火付け役は、池袋に遊びに来た埼玉県民だったということか。
東京チカラめしは1年余りで100店舗を達成したものの、栄光は長く続かなかった。現在ネット上で確認できる店舗数は15となっている。