桃太郎は愛知県民だった!? 犬山市の強烈すぎる「桃太郎神社」
日本人なら知らぬ人のない、「桃太郎」。
その桃太郎伝説の舞台だが、岡山県と思っていないだろうか。筆者はそう信じて疑っていなかった。ところが愛知県にもこの伝説があり、なんと桃太郎神社まで存在すると知ったときは、本当に驚いた。
国宝犬山城や木曽川下りなどで知られる愛知県犬山市、犬山城から木曽川沿いに3キロほど遡ったところに、その桃太郎神社は存在する。
桃から生まれた桃太郎は、「大神実命(おおかむづみのみこと)」と呼ばれ、この神社の祭神である。
神社が伝える伝承は、よく知られる桃太郎伝説と微妙に違う。たとえば、桃太郎は単なる「桃から生まれた」子供ではなく、『古事記』にあるイザナギの黄泉下りで、あの世の鬼を追い払った聖なる桃の生まれ変わりとされる。
また、鬼が島があったのも、近くを流れる可児川とかなり具体的な場所が指定されている。一行が船出した土地や勝鬨を挙げた場所なども、地名などにきちんと残っているというのだ。
やがて桃太郎は「桃山」へと姿を消し、以後神として地元の人々から祀られた。現在の桃太郎神社は、1930年にこの地に遷されたという。
神社の周囲には主役の桃太郎をはじめ、犬、猿、キジなど、多数のコンクリート人形が飾られている。育ての親であるおじいさんやおばあさん、退治された鬼なども展示され、摩訶不思議な桃太郎ワールドが繰り広げられている。
像を作ったのは、「関ヶ原ウォーランド」などでも有名な伝説的造形家、故・浅野祥雲。また宝物館には、「鬼のミイラ」の写真など、「桃太郎ゆかり」の品々が所蔵されている。
最近は松田将太が桃太郎に扮し、金太郎や浦島太郎たちと共演するauのCMが話題だが、この桃太郎神社もある意味、負けていない強烈すぎる世界観だ。それにしても、「桃太郎」って、いったい......?