駅のピクトグラムから「200系」新幹線が間もなく消える?
上野駅はどうなっているのか?
JR東日本としては団子鼻を使い続けたい。しかしJR東海と歩調を合わせるため、単に「新幹線」と案内するときは「はやぶさ」を採用している――そんな仮説を立てた筆者は、東北新幹線の最初の停車駅である上野へ向かった。
「団子鼻のピクトグラムだらけかもしれない」。そんな筆者の予想は、京浜東北線・山手線内回りホームに降り立った瞬間みごとに覆された。
いきなりの「はやぶさ」。2Fコンコースを周回しても同じアイコンだ。JR東日本が旧ピクトグラムにこだわっているわけではなさそう。
東北縦貫線(上野東京ライン)に伴う改良工事が進められている上野駅。2015年3月14日以降、東京駅以上に乗り場は変動する。それもあって案内標識も変えたのだろう。
下りエスカレーターに乗って、2Fコンコースから新幹線乗り換え口へ向かう。すると目に飛び込んできたのは、200系のピクトグラムだった。
いかにも費用と手間がかかりそうな箇所。急いで修正する必要がないから後回しにしていると思われる。
「いつの日か、これらも新ピクトグラムに統一されるのかな」。そう思いつつ構内を歩いていると、床のタイルに案内標識のアイコンが埋め込まれていることに気づいた。200系が採用されている。かすれ具合からみて、かなり前に設置されたものらしい。
上野駅周辺は、東京都美術館や上野の森美術館、国立西洋美術館、東京藝術大学など、日本有数の美術館・博物館エリアだ。さすがに意匠が可愛らしい。
筆者の視線は、中央改札口の上に掲げられた「自由」に向いた。1951年作の壁画は駅のシンボルとして利用者に親しまれている。
駅の案内標識は統一するのがセオリーだが、たまにはイレギュラーなものがあっていい。芸術の町・上野ならなおさらだ。
遠からず標識の「200系」は消えていくのだろうが、床タイルのアイコンぐらいは、壁画の自由のように、末永く残ってほしいと思うのは筆者だけだろうか。